中国メディアは、ロケット技術において日本と中国のどちらのほうが上なのか比較する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 2019年9月、H2Bロケット8号機が打ち上げに成功した。中国も宇宙開発には積極的で、日本をライバル視しているようだが、中国メディアの今日頭条は21日、ロケット技術において日本と中国のどちらのほうが上なのか比較する記事を掲載した。

 記事によると、ロケットの主な競争力の1つは「輸送能力」にあるという。中国には、長征2号F、長征3号B、長征5号、長征7号があると紹介。日本の主なロケットは主にH2AとH2Bだけで、比べてみると中国の次世代ロケット・長征7号の輸送能力はH2Bに匹敵するレベルで、長征5号は重量でもLEO/GTO搭載能力でも日本の最も先進的なH2Bよりも高い数字を示していると主張した。

 小型ロケットで比較した場合、日本のイプシロンロケットの輸送能力は長征6号ほどではないものの、同じ固体燃料ロケットである長征11号と快舟1号甲に匹敵すると認めた。ただ小型ロケットに最も重要なのは輸送能力ではなく、「反応の速度とコスト」だとして、その点では中国のほうが有利だと主張している。

 記事はまとめとして、「ロケットの輸送能力では中国が圧勝」と主張。小型ロケットを比べても、中国には日本と違いロケットが多く、その分様々な需要を満たしており、そのうえコスト面でも中国が有利だと指摘。日本はコスト面から発射回数が限られているが、中国は発射回数が「日本をはるかにしのぐ」という点でも日本よりも有利だと主張している。

 とはいえ中国にも日本に及ばない分野があると記事は指摘。それは「ロケットエンジン」の分野だという。しかし、中国の進歩は目覚ましく将来は日本をはるかに超えることが予想されるため、「将来の主なライバルはやはり米国とロシアになる」と強気の発言で結んだ。

 中国は豊富な資金を背景に宇宙開発で急速に力をつけてきているが、記事が主張しているほど強いかは疑問だ。ユーザーからも「遅れている部分を直視し、追いつく努力をするのが大切だ」、「まずは長征5号が正式に成功するのが先」など、「自身の実力を正しく評価するべき」という意見が寄せられていたが、中国人の自国のロケットに対する評価は意外と厳しいようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)