小泉進次郎・環境大臣(38)の発言が話題だ。通称 “進次郎ポエム” と呼ばれる答弁を、『声に出して読みたい日本語』の著者で、明治大学文学部教授・齋藤孝氏に評価してもらった!

●ポエム5:「一緒にノドグロ食べましょうよ」

《答弁内容》
 9月20日、記者会見で福島第一原発から出た汚染処理水の海洋放出について、急に福島沖の「ノドグロ」をPR。

記者(※以下記)「汚染水の海洋放出に関して、韓国が懸念を示しています。風評被害を助長することにもなりかねないと思うが」

進次郎氏(※以下進)「この前、私は小名浜で地元の組合長とお会いしましたが、いま試験操業で何が獲れるんだと言ったら、『最近ノドグロが獲れるんだ』と。

『あ〜福島、ノドグロ獲れるんですか、私ノドグロ大好きなんですよね』って言って、『じゃあ今度一緒に食べよう』って、『環境大臣室にぜひお越しください』と。『一緒にノドグロ食べましょうよ』って言ったときの、あの『いいんですか』っていうね、喜んだ顔。嬉しかったですね。

 なので、けっしてそういった皆さんが、ふたたび傷つけられることがあってはならないと。その思いで、こういった問題にもしっかり向き合っていきたいと思っています」

記「どう取り組んでいくかをうかがった。ノドグロの話を聞いているつもりではない」

進「それも絡みますからね。できることはすべてやるという、そういった気持ちで取り組んでいきたい」

《齋藤氏の評価》
「地元感を出すのは、選挙演説では定番。田中角栄首相もよくやっていました。ひとりの具体的エピソードを入れると、印象が強くなり、場がもつ。でも、選挙演説と、大臣の質疑応答は違うもの。ひとりの具体的エピソードを入れるのは、大臣の答弁としては適切ではない。

 質問した記者のキーワードを使って、『韓国の懸念はまったくあてはまらない』とか、『風評被害になりかねない。そこを注意しないといけない』などと答えれば、風評被害に釘を刺すことができます」

「落第点」をつけたものの、齋藤氏はこうエールを送る。

「 “ポエム” では通用しない、と認識すれば、答弁は変わっていくと期待しています。官僚に相談しながら、準備をして答えてもいい。思いつきの発言には、リスクがともなうことを学んでほしいですね」

 10月4日に召集された臨時国会では、小泉大臣にはぜひ、「声に出して読みたい」答弁をお願いしたい。

(週刊FLASH 2019年10月15日号)