掲出された張り紙(京王ストアキッチンコート三鷹店で、編集部撮影)

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食品スーパー「京王ストア」(本社:東京都多摩市)の店内に設置されたベンチが、2019年10月1日に導入された消費税の軽減税率制度に伴い、一部店舗で撤去された。

SNS上では「どうしてこんなしわ寄せが......」と思わぬ余波に驚く声が続出している。

「お客様への混乱が予想される為」

東京・神奈川エリアに出店する京王ストア。店内に掲出した張り紙によって、にわかに注目を集めた。

「お客様へ」と書かれた下に、こう続く。「10月の増税以後、たとえベンチのみの設置でも飲食スペースと見なされ、この場所で飲食された場合軽減税率の対象外となり、お客様への混乱が予想される為9月29日をもちましてベンチを撤去致しました。何卒ご了承くださいますようお願いいたします」

今回の消費増税では、飲食料品などに初めて軽減税率が適用され、アルコール類などを除き、8%のままとなる。このため外食店でも持ち帰りを選べば8%のままだが、店内で飲食する場合は10%になるので、同じ商品でも税込み価格が異なる事態が生じる。

張り紙がツイッターに投稿されると次々に拡散され、「どうしてこんなしわ寄せが......」「え!年配の方たちのいこいの場にもなってるのに」「先日買い物途中で気持ち悪くなってスーパーのベンチで小一時間休憩してなんとか帰宅出来た身としては辛い話」などと嘆く声が広がった。

京王ストア総務部は7日、取材に対し、全店舗にベンチを設置していたわけではないため、都内の3店舗(三鷹、代田橋、高井戸)が対象になったと話す。会社としてではなく、各店舗の決定だという。現時点で、客からベンチ撤去についての問い合わせはないとした。