プログラミング教育の神髄は子どもの「心の中」に! 小中学生が試行錯誤でPepperをプログラミングして巨大すごろくに挑戦

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●失敗を乗り越えて作るプログラミングイベント
ソフトバンクは21日、人型ロボット「Pepper」を使ったプログラミングイベント「IoTチャレンジ 春休みPepperすごろくトライアル」(以下、すごろくトライアル)を開催しました。

本イベントは2020年から小中学校で始まるプログラミング教育の一環として、ソフトバンクが小中学生を対象にPepperを活用したイベントです。

今回のイベントでは、IoTキット「micro:bit」(マイクロビット)を利用して電子サイコロを制作し、その情報でPepperを動かす巨大なすごろくを実現させました。


自分たちのプログラムで、Pepperをすごろくの駒として動かす

イベントは午前の部と午後の部の2回開催され、それぞれ25名前後の小中学生が参加しました。
マイクロビットによる電子サイコロ製作は、
・マイクロビットのプログラム方法(プログラムチップの使い方)を学ぶ
・プログラムを組んでパソコンの画面上でシミュレートする
・それをマイクロビットへダウンロード(転送)する
・マイクロビットの実機上で動作確認する
・マイクロビットの情報がPepperに送られているか確認する
・すべて成功したら用意された箱に入れてサイコロの完成
といった手順で行われました。

プログラムに取り組んだ子どもたちは、
・プログラムチップの並べる順序を間違える
・パソコン上でのシミュレート結果が失敗していることに気が付かずに転送してしまう
・シミュレートは上手く行ったのに転送を忘れる
・Pepperと接続するチャンネルを間違える
こうした失敗を繰り返していました。
しかし、
・諦めずに手順を見直す
・講師の指導をうける
といった試行錯誤の中でプログラムチップの意味を理解し、最後には全員がサイコロを組み上げられました。


イベント最初にして最大の難関が電子サイコロのプログラミングだった


電子サイコロのプログラムには変数や乱数などが用いられるため、その説明も分かりやすく丁寧に行われた


自分が組んだプログラムがPepperに正しく送られているか確認する。
緊張の瞬間だ


自分たちが作った電子サイコロに子どもたちも大喜び

●思ったようには動かないPepper! 悪戦苦闘の子どもたち
電子サイコロが完成したら、いよいよPepperを使った「すごろくトライアル」の本番です。
「すごろくトライアル」でPepperを動かすには、
・電子サイコロからの数字の情報
・すごろくのマス目に書かれた問題
これらをPepperにプログラムして実行させる必要があります。

マス目に書かれた問題には、
・知ってる四文字熟語を2つしゃべらせてみよう!
・自分たちの簡単な自己紹介をしゃべらせてみよう!
といった簡単なものから、
・頭をさわるたびに「大吉」「吉」「凶」のどれかが画面に表示されるおみくじを作ろう!
・画面に「サクラ咲く」と表示させて、バンザイさせてみよう!
といった複雑で難しい行動プログラムまであります。

すごろくは2人で1チームを作り、4チームごとに3回対戦が行われました。
マス目の問題が難しく、うまくPepperを動かせないケースもたびたび発生。
すると、ほかのチームの子どもたちも集まり、プログラムの間違いやアイデアをみんなで考える様子があちこちで見られました。


姉妹でチームを組み、すごろくトライアルに挑む



Pepperは簡単には動かない。子どもたちは試行錯誤の連続だ


ほかのチームの子どもたちも一緒になってプログラムを考える。順位よりも誰かの手助けがしたくて仕方がない様子だ


YouTuberのMasuoさんも参加

イベントにはゲストとして、子どもたちに大人気のYouTuber「Masuo」(ますお)さんも参加。子どもたちとともにすごろくトライアルへチャレンジしました。
Masuoさんが思うようにPepperを動かせずに大苦戦していると、子どもたちが集まりMasuoさんへアドバイスするシーンも。

Masuoさんは
「みんな本当にすごい。ぼく1人では絶対にPepperを動かせなかった」
と、子どもたちの才能を嬉しそうに讃えていました。


Masuoさんにプログラムのアドバイスをする子どもたち


●「諦めずにトライし続けること」を学ぶ プログラミング教育
イベントの最後では、対戦で優勝したチームが表彰されたほか、健闘したチームにはSoftBank特別賞が授与されました。

優勝したチームはプログラミング技術の高さとともに、
・子供らしい柔軟な発想
・失敗を恐れず果敢にチャレンジするスピード感
この2点に秀でていたように思います。


最も高い得点を獲得したのは小学生のチームだった


優勝チームには副賞としてソフトバンクオリジナルの人生ゲームが贈呈された

非常に興味深かったのは、SoftBank特別賞を獲得したチームです。
SoftBank特別賞を獲得したチームは、Pepperをなかなかうまく動かせずに最後まで苦戦し、結局最下位に終わったチームでした。


ソフトバンク CSR統括部 統括部長 池田昌人氏

審査員長を務めたソフトバンク CSR統括部 統括部長の池田昌人氏は、
「本プログラムではプログラミング技術を競いましたが、もう1つの目的は論理的思考力を養うことでした。
このチームは何度も失敗しながらも、諦めずにトライし続けました。
その姿勢をぜひ忘れないで欲しいです」
と表彰式の壇上で、最後まであきらめずに健闘した子どもたちに笑顔でエールを送りました。


最下位となり悔しそうな表情をしていた女の子も、特別賞とその意味に笑顔を見せてくれた


池田昌人氏が語ったように、プログラミング教育の本質とは、プログラミング技術を習得することだけではありません。
・問題を解決するために必要な論理的思考力
・失敗しても何度でもトライし続けるチャレンジ精神
この2つを鍛えることにあります。

この2点において、今回の「すごろくトライアル」は、
子どもたちに、試行錯誤することの大切さや、その先にある成功体験を残したと言えるのではないでしょうか。

電子サイコロの製作過程においても、すごろくトライアルの本番においても、子どもたちは予想もしていなかったエラーに悩まされ続けました。
それでも諦めずに試行錯誤を繰り返し、時には友人やスタッフの手を借りながら、最後にはすべて成功させることができました。

これからの時代、プログラミング技術やパソコン技能などは必須となりますが、何よりも子どもたちに必要なのは、
・目標に向かって自発的に努力する気持ち
・チャレンジを支える強い好奇心
こうした、子どもたちの中にある「心」なのかもしれません。
執筆:秋吉 健