今ではディーラーが非正規のショップを紹介してくれるケースも

 ディーラーでメンテナンスするメリットはなにかと考えみると、まずは正規ならではの安心感だろう。対応のよさやクレームの言いやすさも含めてだが、技術的には最新モデルでも技術情報がいち早く入ってくるという点もメリットだろう。だが何でもディーラーで対応できるわけでもないのも事実だ。

 まず最近多く聞かれるのが、ちょっと古くなっただけでメンテを断られるという声。先に技術的なメリットをあげたが、最近のクルマは診断機を前提としたものが多く、ピットスタッフもそれしかやったことがないという若手も増えてきた。だから、勘どころを効かせたメンテができなくなっているという事情がある。もちろん年配のメカニックもいるが、出世して現場を離れていることが多いのも、古めのクルマに対応できなくなっている理由となる。

 FD型のRX-7やR32型などの第2世代GT-Rなどは、オイル交換や車検整備程度なら対応するけど、重整備はお手上げ。そうなると専門店にメンテや修理をお願いするしかないのだが、ディーラーが紹介してくれる例も増えてきているから驚く。

 そのような状況なので、さらに古いクルマ、いわゆる旧車はディーラーに頼めないというか、断られてしまう。その場合は人気車種であれば専門店にお願いしたり、旧車を専門とする修理工場に出すしかない。

輸入車はディーラーよりもショップのほうが安く済むケースが多い

 そもそもディーラーは純正パーツの使用が前提なので、製造中止になっていればそこで対応不可。あれこれ流用しながらなんとか対応してくれるということはない。ピットスタッフにもノルマが課せられ効率化が進む現在、手間がかかる旧車を面倒見るという状況ではなくなっていると言っていい。

 さらに新車やパーツがちゃんと出るようなモデルでもディーラー以外に出すメリットはある。それは安く済むということ。最新の診断機やテスターがないと修理やメンテができないのは事実なのだが、逆にそれらがあれば対応できるということだ。

 ディーラー工賃は高めなので、設備が整った修理工場やショップを見つけることができれば、そこに頼むのも手。とくに輸入車はこの傾向が強いので、街場の主治医的なところが探し出せれば、ディーラーにこだわる必要はないだろう。