【セカンド女子】毒親から既婚者に移った依存先。仕事をエサに不倫関係を迫られたフリーランス女子はそれでも幸せだと語る〜その1〜
20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいます。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。
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今回お話を伺ったのは、都内でフリーのデザイナーとして働く飯田理子さん(仮名・34歳)。顎の長さのショートボブヘアはパーマで外ハネスタイルに、ナチュラルメイクながら眉毛は髪に合わせた茶色に染められています。服装はウエストラインにギャザーの入った、カーキの長袖シャツワンピを着ており、マキシ丈からチラッと見える刺繍の入った靴下など、細部にオシャレさを感じます。話し方はハキハキしていて、第一印象は好感を持たれることが多そうです。そんな彼女のセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。
「出身は都心よりの千葉県で、両親との3人家族です。実は3歳の時までは4人家族でした。2歳上に兄がいたんです。兄は生まれつき体が弱く、入退院を繰り返していて、5歳の時に亡くなりました。私は小さいこともあってあまり兄の記憶がないんですが、母親は兄に付きっきりでしたね。そして兄が亡くなってからは私に過干渉になっていきました。どこに行くのにも、誰と、どこへ、何時に帰るかを報告させられていました。私は中学の時には親から携帯を持たされていましたから」
初めて彼氏ができたのはいつですか?
「社会人になってからです。学生時代は母親からの過干渉で何もできない状態でした。家に帰ると携帯の電源はオフにしないといけなかったんです。一度高校の時に家の電話に、好意を持っていたクラスメイトから電話があったんです。私はお風呂に入っていて取り次いでもらえなかったんですが、その後母親から『どういう関係なのか?』『彼は理子のことが好きなのか?』『理子は彼のことをどう思っているのか?』など怒りはしないものの、質問攻め。きっと彼にも電話口で質問攻めをしたんだと思います。彼とは徐々に疎遠になっていきましたから。
初めての彼氏は、就職先のデザイン事務所で出会った2歳年上の先輩です。私は高卒と言う学歴を両親に許してもらえなかったので、短大を卒業後に専門学校に入ったんです。なので事務所には2歳下の子と同期入社で、なんとなく年齢に劣等感があったんですよね。誰ともうまく仲良くできなかった時に、優しく相談に乗ってくれていたのが先輩でした」
会社ではクライアントとの打ち合わせはいつも苦痛だったとか。しかし、その経験で理子さんは社交性を磨いていきます。
「彼は見た目は普通なんですが、社交性があって仕事ができるタイプ。私は彼のようになりたかったんです。私は元々引っ込み思案で、言いたいこともあまり言えなくて、特に会議中などは自分の意見を言ったことなんてありませんでした。そんな自分が大嫌いで、打破したかったんです。
クライアントは普通の人から、横暴なことを言う人もいました。先方のせいでデザインの素材が遅れに遅れた場合でも、帳尻を合わせるために徹夜を強いる人もいました。下請けの悲しさですよね……。そんな経験で、不条理にも仕方ないと諦める事、そして仕事上での愛想笑いができるようになりました」
社会人になっても外泊は許してもらえず。感情的になり家を飛び出したものの……
会社に泊まるなどの激務の中でも、母親は都内での一人暮らしを許さず。そのことが原因で母親とケンカをしてしまい、家を飛び出します。
「社会人になっても外泊は禁止。始発で帰って、2時間ほどで家を出るような暮らしでもです。忙しくて夜中まで会社で仕事をしているのに、母親に本当に会社にいるのか、写メを送らないといけなかった。もう限界でした。休みの日に両親に一人暮らしを必死にお願いしました。でも取り付く島もないくらいダメの一転張り。思わず家を飛び出してしまったんです。
行ったのはもちろん彼の家です。携帯の電源を切ったまま、週末は彼の家でお世話になりました。そしたら週明け会社に母親から電話があったんですよ。仕方なく家に戻ることにしたんですが……」
社内で広まる母親の異常な行動。職場に居づらくなってしまい、理子さんは退職。彼氏とも別れてしまいます。
「仕方ないんですよね。彼にも自分からサヨナラを言いました。辞めた後はすぐに会社などのパンフレットなどのデザインをメインで行なう会社に再就職しました。そこは前職より残業などは多くなく、自由な時間が比較的ありました。でも、家には帰りたくないんです。なので、夜の空いた時間にアルバイトをすることにしました。都内から自宅までの帰り道の沿線にある駅のスナックでカウンターレディーを始めたんです。そこである男性と知り合って、私はフリーランスでの仕事を始めました。でも、その人は私に見返りを求めてきたんです……」
小さい頃は兄にとられていた母親が自分の元に帰ってきたような気持ちになり、嬉しかったそう。
自宅に帰りたくない思いから、気軽に始めたカウンターレディーの仕事。そこで知り合った男性の紹介により、個人の仕事を受けていくことになりますが……。〜その2〜に続きます。