代表初キャップを刻んだ天野。正確なセットプレーでチャンスを演出した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[キリンチャレンジカップ2018]日本 3-0 コスタリカ/9月11日/パナソニックスタジアム吹田

 79分だった。相手ペナルティエリア付近、ゴールに向かって右の好位置で日本はFKのチャンスを得る。
 
 蹴るのは誰か? 注目のFKキッカーのひとり、天野純は数分前に途中出場している。しかし、ボールの位置には堂安律がスタンバイ。天野と堂安のふたりのレフティは短く言葉をかわして、キッカーは堂安が務めた。
 
「律が倒されたんで。俺だったら絶対、自分が倒されたら蹴りたいし。その気持ちも分かる。律も点を取っていなかったし、蹴ってもらってもいいかなと」
 
 堂安が倒されてファウルの判定となり、獲得したFKだった。天野は堂安に確認した。
 
「『蹴る?』って聞いたら、『蹴らしてください』という感じだったので」
 
 ここは相手の気持ちを考えて、天野はキッカーを譲った。この試合が代表初キャップとなった背番号18はその後、CK2本、FK1本を担当。やや遠目からのFKでは正確なボールを放り込み、惜しいチャンスを演出した。反応した三浦弦太にあと一歩届かなかったものの、自慢の左足で見せ場を作ったのは確かだった。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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