Googleやアリババといった名だたる企業から22億ドル(約2500億円)以上もの資金を調達し、「従来のようなディスプレイを使わないARシステム製品」として開発が続けられていた「Magic Leap One」がついに発売されます。初めて世界にその存在が告知されてから4年近い歳月が経過し、数年に及ぶ開発遅延がささやかれることもありましたが、ようやく謎に包まれていた「Magic Leap One」が、開発者限定ではあるもののついに手に入ることとなります。

Magic Leap One: Creator Edition | Magic Leap

https://www.magicleap.com/magic-leap-one

Magic Leap One Now On Sale To Developers

https://uploadvr.com/magic-leap-one-now-on-sale-to-developers-for-2295/

Magic Leap Oneを開発するMagic Leapが高い技術力を持っていることは広く知られていたものの、開発中の製品にどのような技術が搭載されるのかについては長年にわたって知られておらず、「本当に製品が発売されるのだろうか?」と危ぶむ人々も少なくありませんでした。ところが、2017年12月になるとようやくARシステムMagic Leap Oneが発表され、2018年に開発者向けキットが発売されることも予告されました。

そんな中、アメリカの大手通信企業AT&Tが7000億円を超える巨額の資金を投じてMagic Leap Oneの独占販売権を獲得し、大きな話題を呼ぶ事態も発生。AT&Tによればこの独占販売権獲得は「次世代通信5G時代でのリーダーシップのための提携」とのことで、5Gの高速通信を利用した何かしらのコンテンツが登場することとなります。

7000億円超でARシステム「Magic Leap One」の独占販売権をAT&Tが獲得、ついに市販化へ独占販売権



そんな中、ついにMagic Leap Oneの販売が公式サイトを通じて行われることになりました。販売はMagic Leap Oneコンテンツの開発者向けとなっており、価格は2295ドル(約25万5000円)です。Magic Leap Oneのソフトウェア開発キットは2018年3月に公開されており、UnityとUnreal Engineによって開発されたゲームアプリをサポートしているとのこと。

Magic Leap Oneはゴーグルの形をしたヘッドセットであり、ハプティクスを搭載した小型のリモコンを手に持って仮想世界でさまざまなアクションを起こすことが可能。また、仮想空間は現実世界と融合された状態で表示され、実際の視界と同じように深度に合った自然光を取り入れたデジタル・オブジェクトを見ることができます。

Magic Leap Oneのさまざまな機能については、以下の記事から見ることが可能です。

ディスプレイが過去のものに、空間コンピューティングを可能にする「Magic Leap」が2018年に出荷開始



なお、Magic Leap Oneの購入にはアメリカの郵便番号を持っている必要があり、記事作成時点ではシカゴ・ロサンゼルス・マイアミ・ニューヨーク・サンフランシスコ(ベイエリア)・シアトルの6都市のみに発送可能だそうです。Magic Leapは「秋以降にはさらに配達可能な都市を増やしていく」としており、今後さらにMagic Leap Oneを手に入れられる地域が増えていくとされています。