枚方市の「市政要覧2016」(市公式サイトより)

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マイカタちゃいます、ひらかたです――今回の大阪北部地震で震度6弱を観測した自治体のひとつ、大阪府の枚方(ひらかた)市はこれまで、「マイカタ」と誤読されることが多い現状を逆手にとり、こんな知名度アップのPR活動を行っていた。

しかし、活動虚しく(?)、今回の地震を受けた記者会見で、菅義偉官房長官から「マイカタ市」と誤読されてしまった。ツイッターでは、枚方市へ「可哀想」といった反応が出たり、「緊急時なんだから別に良い」と長官を擁護したりする声が出ていた。

「緊急時なんだから別に良いのでは?」と擁護論も

菅長官は2018年6月18日、大阪府北部を震源とする地震に関して何度か会見を開いた。午前2回目の会見で、記者の質問に答える中で、

「震度6弱を観測した大阪市北区、高槻市、マイカタ市、茨木市、箕面市をはじめ、各地から110番、119番通報が多数ある、ということです」

と状況を説明した。

気象庁サイトによると、震度6弱の該当地区(自治体)は5地区で、菅長官が挙げた数と同じ。両者を比べると、枚方市を菅長官が「マイカタ」市と読んでしまったことが分かる。

長官会見はテレビやネット中継で流れていたこともあり、ツイッターでは早速、

「やれやれ菅官房長官、『まいかた』じゃなくて『ひらかた』!」
「【悲報】菅官房長官、枚方市をまいかた市と読み間違える」
「菅長官にまで、『まいかた』って言われる枚方の可哀想さ加減よ」

と注目を集めた。一方で、大きな地震後の対応に追われる中での会見だけに、

「緊急時なんだから別に(間違っても)良いのでは?」
「ドンマイ官房長官、(略)ここはおおらかに」

と長官を擁護する意見もあった。

「マイカタちゃいますプロジェクト」

もっとも、枚方市が、市外の人から「マイカタ」市と誤読されてしまうことはよくあることのようで、市役所では2016年から「マイカタちゃいますプロジェクト」を始めていた。18年5月には、「マイカタ」と誤読する人と、正しく読める人の割合を調査し、都道府県ごとの分布図を作る新計画を公表。府外の人に、参加や調査協力を呼び掛ける内容を市公式サイトで明らかにした。誤読されることを逆手にとって、市の知名度を上げようという作戦だ。

大阪府の北東部に位置する枚方市。これまでに、表紙に「マイカタちゃいます、枚方(ひらかた)です」と大書した市政要覧(2016年版)を作ったり、車の側面に同じ文言と地図が書かれたごみ収集車を稼働させたり、さまざまな活動を行っていた。こうした取り組みは、直前の6月15日にも朝日新聞デジタルで報じられたばかりだった。

枚方市公式ツイッターは今回の地震後、市内の上下水道の状況など地震関連情報を発信しているが、18日夕現在、菅長官による誤読への反応は示していない。