イライラや感情的になってしまうときは「ヤマ(禁戒)」で気持ちをコントロール
私たちは、毎日の生活の中でいろいろなことを考え、さまざまな感情に左右されます。そして、「どうしてあんなことを」と後悔することもしばしば。そんなとき、「感情をうまくコントロールできたらいいのに」と思いますよね。
そこで役に立ってくれるのが、ヨガをしたことがある人や、ヨガについて学んでいる人なら耳にしたことがある“八支則(はっしそく)”。
自分自身を抑制するルール・八支則ヨガの教え“八支則”は、ヨガのゴールに到達するための方法・思考。禁戒や勧戒、坐法、調気(呼吸)、感覚の抑制、集中、瞑想、悟りと大きく8つに分類できるのですが、そのなかの1つ“ヤマ(禁戒)”には、日頃から意識しておくと優しい気持ちを持てたり、思いやる気持ちを持てたりするようになる項目が盛り込まれています。
ヨガ哲学と聞くと難しく感じるかもしれませんが、ここでは日常生活に結びつけてみていきたいと思います。
社会のなかでよい関係を築いていくために仕事や家庭、プライベートの付き合いなど、私たちは社会のなかで暮らしています。それゆえのストレスも多く、つい感情的になってしまったり、イライラしてしまったり、人間関係がスムーズにいかなくなってしまうこともあるでしょう。
八支則のひとつ“ヤマ”は、禁戒と訳されることが多くいわば、「人や社会に対してやってはいけないこと」を意味します。ヤマには5つの項目があるので、みていきましょう。
(1)アヒムサ・・・非暴力
人や自分に対して暴力的であってはいけない。攻撃的であってはいけない。言葉や行動に愛を持って。
(2)サティヤ・・・嘘をつかない
人をだましたり、自分をだましたりせずに素直であること。偽らないこと。
(3)アスティーヤ・・・盗まない
人のものを取ってはならない。ものだけでなく、自由や時間、空間を奪う行動もまた然り。
(4)ブランマチャリア・・・禁欲
浮気心を持たない。パートナーとの信頼関係を大事にすること。
(5)アパリグラハ・・・不貪
求めすぎない。自分の力量・限界を知り、受け入れる度量を見極めること。すでにある事・ものに感謝をすること。
「ハッ!」とするものはありませんでしたか? 今すぐにすべてを実践するのは難しいかもしれませんが、気持ちに熱が生じたり、感情が乱れたりしたときに思い出してみてください。
社会生活は避けては通れません。ですが、自分の基盤がしっかりと築かれていればそのなかでよりよい関係を築けるようになるでしょう。
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【筆者略歴】
高木沙織
“美容”と“食”には密接な関係があることから、複数の「食」に関する資格を取得。イベント講師・執筆に携わる一方ヨガインストラクターとしても活動し、多角的に健康美作りをサポートする。