#猫バンバンにあやかり、猫がキャベツで見せられ、タイヤは「日清焼そば U.F.O.」に変わった#キャベバンバンのロゴ

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3月12日から開始された「日清焼そばU.F.O.」のフタについているキャベツを落として食品ロスを減らそうという啓蒙活動「#キャベバンバン」プロジェクト。その内容が、日産自動車の啓蒙活動「#猫バンバン」のホームページデザインや、掲載している動画が酷似していたことから、TwitterをはじめとするSNSで一気に話題に。しかし、なぜに今回、他社のプロモーションとコラボしようとしたのだろうか。日清食品の担当者に話を伺った。

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本題に入る前に、元となっている「#猫バンバン」について。猫は冬は寒さから逃れるため、夏は日陰を求めて自動車のエンジンルームやタイヤの間に入り込むという。そのまま自動車を動かせば、猫の安全や生命に危険が及ぶため、エンジンをかける前に、ボンネットをバンバンと叩いて、猫を逃がそうというものだ。「猫バンバン」の言葉を日産自動車が使い始めたのは2015年11月19日。反響の大きさから2016年1月から「#猫バンバン」プロジェクトが始まった。

さて、春から夏にかけて「日清焼そばU.F.O.」の需要が上がる季節に合わせて開始された今回の「#キャベバンバン」プロジェクト。日清食品が実施した「カップ焼そばのキャベツに関する調査」によると、キャベツは年間約4.17トンが捨てられているという。あまりの大きな食品ロスの数字に担当者はショックを受けた。「フタ裏にくっついたキャベツをしっかりと落として、日清焼そばU.F.O.をおいしく食べてほしい」と思った担当者は、フタを叩いてキャベツを落とす行動から、猫バンバンのことを思い出したようだ。

「#猫バンバンプロジェクトは、ネットでも大きな話題になっていましたので、プロジェクトのスタート当初から存じ上げておりました」と話す担当者は、日産自動車に連絡。日産自動車とのコラボレーションは今回が初めてではなく、2016年4月にエイプリルフール企画を行っていたため、元々コネクションはあったようだ。

「日産自動車様に企画をご説明したところ、フタ裏キャベツの付着問題による“食品ロス”の重大さに共感していただきました」「日産自動車様が実施されている#猫バンバンと、日清食品が日清焼そばU.F.O.の調理時に行っているキャベバンバンの間に共通点が多く、バンバンというアクションが結果として、猫を守る、キャベツを守るというソーシャルグッドに繋がることから、日産自動車様にも今回のプロジェクトにご賛同いただくことができました」とのことで、事は進んで行った。

徹底しているのが、その再現性。特に注目すべきは、愛らしいキャベツ達が、まるで猫のように動き回る啓蒙動画だ。「日産自動車様が行ってこられた#猫バンバンプロジェクトの主旨を尊重し、かつ、#猫バンバンプロジェクトのイメージを損なうことなく、猫をキャベツに変えたパロディとして成立させるか、という点に苦労しました。キャベツのキャラクターの愛らしい姿をご覧いただき、キャベツ愛を深めてもらえれば幸いです」というから、ぜひ見てほしい。ちなみに使われているBGMは日産自動車から提供を受けたとのことだ。

ホームページのパロディぶりにも注目だ。デザインや文言はもちろんのこと、例えばダウンロード可能な画像のファイル名にまでこだわる徹底ぶりにも注目。

キャベバンバンのホームページには、「若者のキャベツ離れが深刻化」「日本人の9割以上がフタ裏のキャベツ付着の経験がある」などといった、キャベツに関するアンケート「全国インスタント焼そばフタ裏キャベツ付着調査」が掲載されている。回答数500名。その中に気になるアンケート結果が。どうやら日産自動車オーナーは、キャベツを愛しているというのだ。これについて担当者に話を伺ったところ「日産自動車様のユーザー63人中22人(34.9%)の方が、キャベツを愛しているという結果が出ており、他メーカーの自動車ユーザーも含めてトップの数字でした」とのこと。この数字、コラボ先への経緯ではないようだ。

企業間コラボレーションは今時珍しいものではないが、ここまでのパロディができるのはそれぞれ、猫とキャベツに対する理解があってからこそ。これから暖かくなる季節「クルマに乗る前はボンネットを」「カップ焼きそばを食べる前はフタを」バンバンして、猫とキャベツを救ってほしい。

なおキャベバンバンのホームページには、近日公開として「あの話題のタレントが、#キャベバンバンの正式な方法を伝授します!」という追加コンテンツが用意される模様。それは一体何か?今後のキャベバンバンプロジェクトにも注目だ!(東京ウォーカー(全国版)・池田織枝)