ズベレフは「ホークアイがライン判定しても、まったく気にならない」、「ショットクロック」も好評

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「役に立たないことばかりじゃなくて、なにか役に立つことを言えないのか? 一つでいいから、本当に役に立つことを言ってくれ」「もっとネットへ出ていけ...握手するためだけじゃなく」

代理コーチのマルセロ・メロ(ブラジル)はそれだけ言うと会話を終え、勝利を導き得る戦術を授けられたアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は、ベースラインへ戻った。

通常は試合中には禁止されている選手に対するコーチングが、今週ミラノで開催中のATPの「ネクストジェネレーション・ファイナルズ」で試験的に採用され、選手とコーチとの試合中の会話がファンに新たな洞察と楽しみを与えているという。

コーチと選手がセット終了時にヘッドセットを使って話をすることは、セットの短縮、ノー・アドバンテージ、メディカル・タイムアウトの制限、サーブのノー・レットと共に採用された新ルールの一つだ。

だが、「ショットクロック」と「ホークアイ」がすべてのラインコールを行うことが、選手に最も好評な変更点になっているという。

オンコート・クロックによってポイント間は25秒厳守となっているほか、ウォーミングアップの時間も短縮され、二人目の選手がコートに入ってから5分ちょうどで試合が開始される。

ズベレフは日曜日にロンドンで始まるATPファイナルズに集中するために「ネクストジェネレーション・ファイナルズ」は参加を辞退したが、火曜日にミラノに登場。補欠選手のステファノス・チチパス(ギリシャ)とエキシビション・マッチを行い、その際にメロが一時的にコーチの役割を担った。

「ホークアイがすべてのライン判定をするのは、正式に採用されても、まったく気にならない。ショットクロックは悪くない。ちょっと調整が必要かもしれないが、あれは可能性があるだろうね」とズベレフは話した。

ATP代表のクリス・カーモード氏は、ショットクロックが2019年のレギュラー・ツアーで導入されるかもしれないという。

「来年は無理だが、2019年には可能性があると思う」とカーモード氏は語った。「ショットクロックの導入に関しては何年も前から話が出ており、思い切って導入できるのか、それともできないのかということだ。明らかに、思い切ってやってみようということだ。ウォーミングアップの短縮も、もちろんできるし、ほかの改革については話し合うことになる」(カーモード氏)という。

「導入までに1年あるから、なにが起きようとしているか周知できる。選手に対して突然『ところでみんな、1月から違うルールでプレーしてもらうよ』と言うわけにはいかない。それに、今週の成功を分析する必要もあるだろう。まだ1日目だ。全試合のすべてのデータを集めて、なにがうまくいって、なにがうまくいかないかを見極めよう」と、カーモード氏は語り、将来的な導入については含みを残した。

(C)AP(テニスデイリー編集部)

※アレクサンダー・ズベレフはホークアイによる自動ライン判定に前向きな見解を示した。
(Photo by Alexander Hassenstein/Getty Images For BMW)