代表スタッフも心配したハリルの厳格な指導 選手に痛烈な言葉も「排除したいわけではない」

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ハイチ戦後のエピソードを明かす 「君たちワールドカップに行きたくないんだな」

「排除したいわけではない」――バヒド・ハリルホジッチ監督の強烈なメッセージは、ブラジル戦とベルギー戦に向けた欧州遠征メンバー発表会見の時間が経過するにつれて出てきた。

 そこで明確に見えたのは、ハリルホジッチ監督の指導スタイル。“アメ”というよりも“ムチ”を与えるスタイルで、チームを強化しようとしている点だ。

 今回の欧州遠征はブラジル、ベルギーという、来年のロシア・ワールドカップ(W杯)で対戦する可能性もある強豪との2連戦であり、注目度が高まっていた。そのなかで「ブラジルやベルギーに勝つトライをしなければいけない」と語った指揮官が選択したのは、2010年代に入って日本代表の主力であり続けたMF香川真司(ドルトムント)、FW本田圭佑(パチューカ)、FW岡崎慎司(レスター)を招集外にするという、ドラスティックに映るものだった。

 その決断は大きな波紋を広げる形となったが、指導スタイルについても独特な考え方を持っていることを再認識させる会見となった。

 例えば、10月に行われた国際親善試合ハイチ戦では2点を先にリードしながら、3点を奪われ、あわや敗戦というところまで追い詰められた(結果は3-3)。これについて問われると、「試合後、ちょっと厳しく言いました。君たちワールドカップに行きたくないんだな、繰り返してはいけないぞ」と、指揮官が選手に対して直接厳しい言葉をぶつけたこと、そしてスタッフとも、こんないきさつがあったことを明かしている。

「伸びるには厳しいことを言う必要もある」

「あるスタッフはそんなに厳しく選手に直接言ってはダメだと言うが、嫌いなのではなく好きで信頼しているし、リスペクトしている。ただ伸びるには厳しいことを言う必要もある」

 指揮官としての厳格さを示すと同時に、口にしたのは選手への信頼感だ。絶えずチーム内競争と規律を求めるハリル監督のスタイルは、これまで率いたクラブや代表チームでも物議を醸すことが多かったが、自らの信念を変えるつもりはないのだろう。

 それと同時に口にした「排除しない」との表現には、本大会メンバー発表まで門戸が開かれていることが示唆されている。選手それぞれが、どれだけロシア行きのモチベーションを高めて日々戦えるのか。本番までの約7カ半、サバイバルはさらに過熱しそうだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images