華麗なドリブル突破からゴラッソを沈めた土居(8番)。今季3点目は貴重な一撃となった。写真:徳原隆元

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[J1リーグ29節]鹿島2-0広島/10月14日/カシマ

「仕掛けられたことが良かったし、シュートも冷静に打てた」

 試合後のインタビューで頬を緩ませた土居聖真の活躍で、常勝軍団が優勝に向けて大きく前進した。

 相手の広島は16位と降格圏に沈んでいるチームだが、現在6戦無敗と好調を維持しており、一筋縄ではいかない難敵。チームトップの11得点を挙げている金崎夢生を出場停止で欠くなか、背番号8が力強くチームを牽引してみせたのだ。

 土居が輝いたのは30分。山本脩斗が高い位置でボールを奪うと、三竿健斗を経由して土居にボールが渡る。パスを受けた背番号8はここからドリブルを開始。するすると持ち上がってDFを外し、カバーに来た広島の青山敏弘の鼻先で左足を振り抜くと、強烈な一撃が見事にネットに突き刺さった。
 
 その後は鹿島らしい堅守で要所を締め、相手に付け入る隙を与えず。攻撃陣もカウンターで敵陣へと攻め込んだ。そして、迎えた84分。右サイドを駆け上がった伊東幸敏のクロスに、鈴木優磨が右太ももで合わせて勝負を決めた。

 勝利を収めた鹿島は、優勝にまた一歩前進。2位・川崎との勝点差5をキープした。とはいえ、大岩剛監督は「まだ5試合あるので、次の試合に向けていい準備をしたい。総力戦でやっているので、次の試合も総力戦で挑みたいと思う」と手綱を緩めるつもりはないようだ。

 対する広島は、暫定ながら得失点差で甲府を下回り、16位に転落した。明日行なわれる甲府対FC東京の結果次第で、再び順位が入れ替わる可能性はあるが、手痛い敗戦を喫したのは間違いない。

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