「拡張現実は「当たり前」の技術になる──「ARがある未来」を理解するための5本のストーリー」の写真・リンク付きの記事はこちら

アップルが「iOS 11」を2017年9月に公開し、iPhoneとiPadが正式に拡張現実(AR)機能に対応した。この機能は、アップルが開発者会議「WWDC 2017」で発表したソフトウェア技術「ARKit」である。この技術を用いれば、端末側に特別なセンサーがなくても、アプリをAR対応にできる。

といっても、すでに「ポケモンGO」のようなゲームでARが実現しているではないか──という指摘があるかもしれない。だが、これらは単純に現実世界にCGを重ねているだけのものが大半だった。ARKitは、現実世界と仮想世界の物体のサイズ感を一致させたり、地面やテーブルなどの上に仮想的な物体を“置く”ことができたりする点で、より現実に即した体験ができる。

現実世界に3Dで図や絵を描いたりできる「World Brush」のようなツールから、もののサイズを測るアプリ、家具を配置できる「Housecraft」、目の前にブロックを積み重ねていくゲーム「Stack AR」まで、ARKitを用いたアプリは多種多様である。さらにIKEAも、同社の家具を部屋に配置して試せるARアプリ「IKEA Place」をリリースした。

グーグルもARへの対応を強化している。ARプラットフォーム「Tango」に対応したスマートフォン「Phab2 Pro」をLenovoと共同開発し、16年12月に発売。TangoではAR用のセンサーなどを必要としていたが、その発展形としてソフトウェアでARを処理する技術「ARCore」を17年8月に発表した。

これでAndroid陣営もアップルと横並びになり、これからはスマートフォンやタブレット端末にとって、ARは「当たり前」の機能になってくる。これまでに多くの企業が実証実験してきたARのショールーム[日本語版記事]や、ファッションアイテムの試着[日本語版記事]なども、身近になっていくだろう。

こうした現状を踏まえて、ARの果たす役割と可能性について改めて考え、その原理を理解するために役立つ5本のストーリーを紹介する。

アップルは「AR革命」を起こすかもしれない──「ARKit」の知られざる可能性

アップルが発表した拡張現実(AR)ツール「ARKit」を利用したアプリは、生活感あふれるささやかなものばかりになりそうだ。しかし、だからこそ「AR革命」を起こすのかもしれない。そこから生まれるであろう新しい世界について考察する。>>記事全文を読む

iPhone単体で「AR」を実現する原理を、わかりやすく解説してみた

アップルが公開した「iOS 11」は、複合現実(AR)に対応した。特別なセンサーもなく、いかにiPhoneやiPadでARを実現するのか、その原理をわかりやすく解説する。>>記事全文を読む

拡張現実はいま、どこへ向かっているのか?:川田十夢(AR三兄弟長男)特別寄稿

AR三兄弟の長男として知られる川田十夢が特別寄稿。自分たちの手で開発してきた確かな手応えを根拠に、これから実装されていくであろうアイデアについて語った。>>記事全文を読む

iPhoneとARKitを使って「音を視覚化」してみると(動画あり)

音を空間に記録する──。そんなアイデアを実現すべく、アーティストのザック・リーバーマンが「ARKit」を使って開発したのは、iPhoneを使って音を可視化するアプリだ。>>記事全文を読む

スマートフォンを「ARマシン」にするフェイスブックの大胆な構想

フェイスブックはスマートフォンを、現実世界のすべてと「AR的」に交流できるハブに変えようとしている。その狙いとは。>>記事全文を読む