2008年に四川省で発生した四川大地震では、多くの人びとが倒壊した建物の下敷きになって死亡した。被災地では学校を含め、耐震性に乏しい建物が多かったため、たくさんの子どもたちも犠牲になった。(写真は坂茂氏も設計に参画したフランスのポピンドゥー・センター、提供:(C)Meriton Demukaj/123RF)

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 2008年に四川省で発生した四川大地震では、多くの人びとが倒壊した建物の下敷きになって死亡した。被災地では学校を含め、耐震性に乏しい建物が多かったため、たくさんの子どもたちも犠牲になった。

 中国メディアの捜狐はこのほど、大地震によって建物が倒壊した四川省において、災害支援の一環として日本人の建築家である坂茂氏が「紙管」で学校を建てたことを紹介し、中国人は坂氏に敬服の意を示すと同時に深い感謝を示すべきであると論じている。

 記事は、08年に四川大地震が発生した当時、学校やビルがあっという間に廃墟と化し、多くの人が住む家を失ったと指摘。また、学校が倒壊したことで子どもたちは学ぶ場を失ってしまったと伝える一方、仮設住宅の建設が優先されるなかで、学校の再建が問題となったことを紹介した。

 続けて、子どもたちの学ぶ場が問題となっていた時、「坂茂氏が仮設校舎をわずか1カ月で建設した」と伝え、学校を失った子どもたちはようやく明るい教室で学ぶことができるようになったのだと紹介。そして、驚くべきは坂茂氏が建てた仮設校舎は紙管が材料となっていて、材料は軽いのに、人びとの想像以上に校舎は堅牢だったと伝えた。

 さらに記事は、坂氏は世界中の被災地で紙管などを使用した建築物を作り、世界中で災害支援を行っていることを紹介し、坂氏のような人物こそ世界的建築家であると絶賛。

 また、「紙」は古代中国で発明されたものであることに触れつつ、「中国の先人たちの知恵と結晶である紙が、このような形で日本の建築家の手によって世界で貢献することになるとは誰が想像できただろうか」と問いかけ、中国人は四川省のみならず、世界中で災害支援を行っている坂氏に敬服の意を示すと同時に深い感謝を示すべきであると論じている。(編集担当:村山健二)(写真は坂茂氏も設計に参画したフランスのポピンドゥー・センター、提供:(C)Meriton Demukaj/123RF)