ドルトムントで苦境の香川を独紙特集 能力評価も「定位置はベンチ。まだ需要ない」

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第3節フライブルク戦でベンチ入りも今季初の出番なし、指揮官は新戦力FWを投入

 ドルトムントの日本代表MF香川真司は9日のブンデスリーガ第3節フライブルク戦(0-0)でベンチ入りしたものの、今季リーグ戦で初めて出番なしに終わった。

 左肩脱臼の影響で出遅れた香川だが、ドイツ地元紙「ルールナハリヒテン」では「定位置はベンチ。香川はボス監督の下でまだ需要がない」と日本の背番号10の苦境が特集されている。

 開幕戦のブレーメン戦を3-0、第2節ヘルタ・ベルリン戦を2-0で制し、開幕2連勝と順調なスタートを切ったドルトムント。敵地に乗り込んでのフライブルク戦では、自陣に引いて守りを固める格下相手に大苦戦。相手は退場者を出して数的優位に立ったものの、最後までゴールを割ることができずにスコアレスドローに終わった。ペーター・ボス監督は香川ではなく、新戦力のウクライナ代表FWアンドレイ・ヤルモレンコをピッチに送り出すなど手を打ったが、狙った結果を手にすることはできなかった。

 DFBポカール1回戦も含め、開幕から公式戦3試合連続で途中出場を続けてきた香川は出番なしに終わった。負傷でプレシーズンをリハビリに費やしたマイナスからのスタートだったとはいえ、今季から指揮を執るボス監督の下では完全にバックアッパーの立ち位置に甘んじている。

 ルールナハリヒテン紙もそうした香川の苦境ぶりに着目。今夏にクラブとの契約を2020年まで延長したものの、「イングランドから戻って4シーズン目、香川はベンチに座り、サブとして数分間しかプレーできない状況だ」と指摘した。

驚きべき反転とターンを評価、今後出番は?

 ただし、同紙は香川にも今後チャンスは訪れるだろうと分析している。

 フライブルク戦ではスペースを消して守備を固める相手に苦戦していたが、そうした戦況で香川の打開力は生きてくるはずで、記事では「実際、香川にとっては理想的な試合だった。驚きべき反転とターンは彼の得意分野だ。しかし、ボス監督は打開する選手としてチームに合流してわずか2日のアンドレイ・ヤルモレンコを好んだ」と記述された。現地では今でも香川の能力が高い評価を得ているようだ。

 さらに「シーズンはまだ始まったばかり。ボス監督はブライスガウ(フライブルク)での試合の前に『全ての選手が必要』と言及。明日のウェンブリーではきっと香川にもチャンスが訪れそうだ」と、現地時間13日に行われるUEFAチャンピオンズリーグの敵地トットナム戦では香川に出番があると予想されている。

 日本屈指のプレーメーカーは、慣れ親しんだ黄色と黒のユニフォームで再び輝きを取り戻すことはできるのだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images