韓国代表と“失言”キャプテンへの批判と怒り収まらず 地元紙「代表不信は史上最高」

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DFキム・ヨングォンが前代未聞のクレーム この発言で炎上、謝罪に追い込まれる

 韓国代表は9月5日のロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の最終戦、敵地ウズベキスタン戦でロシアW杯出場権を懸けた大一番に臨む。

 8月31日の本拠地イラン戦はシュート0本でスコアレスドローに終わり、韓国代表キャプテンのDFキム・ヨングォンが「サポーターの声援がうるさかった」と前代未聞のクレーム。この発言が炎上し、謝罪に追い込まれたが、韓国国民はいまだ許しておらず、「代表への不信感は史上最高」と地元メディアに批判されている。

「物議を醸したキム・ヨングォンが静かにウズベクでの練習をこなす」と特集したのは韓国紙「スポーツソウル」だ。ウズベキスタンの首都タシケントで行われる運命の決戦を前に、韓国代表は市内のイジュドコール・アカデミーの練習場でトレーニングを行なった。

 韓国メディアが注目したのは、炎上中のキャプテンだった。練習の様子は「無表情」と報じられながらも、「同僚を引っ張ろうとポジティブな態度を見せていた」と報じられている。 かつて大宮アルディージャやFC東京でプレーした広州恒大DFキム・ヨングォンは、イラン戦後、「観衆の応援があまりにもうるさくて、他の選手とコミュニケーションを取ることが難しかった。何も聞こえなかったので、練習通りのプレーを我々はできなかった」とコメント。この失言は大きな話題となり、世間を駆け巡った。

 枠内シュート0本と不甲斐ない試合を演じた韓国代表に怒りを募らせていたサポーターは、キャプテンの発言で心を踏みにじられ、一層ヒートアップ。ファンの応援を踏みにじる舌禍事件でキムは批判に晒された。

韓国国民の感情は「冷え切っている」

 大炎上を受けて、キム・ヨングォンは「そんな意図では話していません。自分の頭の中がこんがらがっていたので、間違った発言になってしまった。とても反省しているし、申し訳ない。自分をサポートしてくれるファンに謝罪する」と釈明する事態となっていた。

 これで沈静化したかに思われたが、窮地に立たされた韓国代表のリーダーに対するサポーターの怒りは収まりを見せていないという。

「しかしながら、(キムへの)国民感情は冷え切っている。敗北者は無気力なパフォーマンスだった。代表チームへの不信感は史上最高だ。人々の心を取り戻す前に、キム・ヨングォンと代表チームはウズベキスタン戦に集中することになった」

 記事では韓国サポーターのキャプテンと代表への信頼度はゼロに近いところまで失墜したと指摘している。9大会連続のW杯出場を懸ける「アジアの虎」は、自分たちで撒いてしまった種を刈り取れるだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images