【コラム】日程で占う17−18シーズンのセリエA…名門復活を期すミラノ勢は序盤がカギか

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 ミランはヨーロッパリーグ予選3回戦ファーストレグを勝利で飾り、幸先のいいスタートを切った。インテル、ユヴェントスらもそれぞれ、アジアやアメリカでビッグクラブとプレシーズンマッチを行っており、いい結果を出している。そんな中、2017−18シーズンのセリエAの日程が発表された。試合カードの並びはチームの順位に大きくかかわり、いくつかの“取りこぼし”が後々響いてくることもある。今回は、そんなセリエAの日程と見どころについてお伝えする。

 まずは日本代表DF長友佑都の所属するインテル。初戦は20日、ホームのサン・シーロ・スタジアムでフィオレンティーナと対戦する。今シーズンからフィオレンティーナを率いるのは昨シーズン途中にインテルを離れたステファノ・ピオリ監督だ。自ら“インテリスタ”であることを公言しており、「こんなに重要で刺激的なチームと、最初にサン・シーロで戦うことになるとは」とコメントした。

 そして、インテルの第2節(8月26日)はアウェイのローマ戦だ。今度はルチアーノ・スパレッティ新監督が、昨シーズンまで指揮官を務めていたチームとぶつかる。決して気の抜けない2チームとの連戦となるため、慎重に勝ち点を稼いでいく必要があるだろう。また、第8節(10月15日)はミラノダービー、続く第9節(10月22日)はアウェイでのナポリ戦と厳しい相手が続く。ここでどういう結果を出すか。シーズンの中盤に差し掛かってくる時期にもなり、インテルは真価を発揮しなければならない。

 今シーズンもスクデット最有力のユヴェントスはどうだろうか。マッシミリアーノ・アッレグリ監督はチャンピオンズリーグ(CL)と並行するシーズンにも慣れているのが強みだ。トリノとのダービーは第6節(9月24日)となった。第11節(10月29日)には大型補強を敢行したミランの本拠地へ乗り込む。そして第15節(12月3日)でナポリ、翌16節(12月10日)でインテルと厳しい連戦が控え、第18節(12月23日)にはローマとの大一番を迎える。比較的、前半戦終盤にビッグマッチが組まれており、その結果が優勝争いを大きく左右するだろう。

 昨シーズン2位のローマは第2節でいきなりインテルとのアウェイゲームに臨み、第7節(10月1日)にはミラン、第8節(10月15日)にはナポリと、強敵との連戦が組まれている。そして第13節(11月19日)に宿敵ラツィオとのダービーを戦い、満を持して第18節で王者ユヴェントスに挑む。最終盤の第37節(5月13日)にはホームでのユヴェントス戦が予定されており、この試合まで優勝争いを演じることができれば、非常に盛り上がる一戦となる。

 積極的な補強でCL復帰を狙うミランは、第7節と第8節に組まれているローマ、インテルとの連戦が一つの山場となる。そこまでの試合で極力取りこぼしを減らし、スタートダッシュを切ることがカギとなりそうだ。

 一方、ミランとは正反対なメルカート戦略をとったのがナポリだ。CLの常連になりつつあり、マウリツィオ・サッリ監督は昨シーズンまでとほほ同じ主力選手でCL決勝トーナメント進出を目指す。もちろん、スクデットも狙える位置にチームを持っていくだろう。第5節(9月20日)のラツィオ戦が、シーズン最初の難しいゲームとなる。そして第8節にローマ、第9節にインテルと強敵が続き、第13節ではミランと対戦。1試合を挟んで第15節にはユヴェントス戦が予定されている。

 なお、通常のシーズンとやや違っているのが、クリスマスから年末年始間の中断期間が例年に比べて大きく後ろにずれこんでいるところだ。2017年最後の試合が12月30日の第19節で、ちょうど全38試合の折り返しとなる。そして、2018年は1月6日が新年初戦となり、その後、2週間の中断を経て21日から再開される。

 名門復活を期すミラノの2クラブについてはCL出場権の獲得(4位以内)が最優先の目標となり、スクデットの有力候補は今シーズンもユヴェントス、ローマ、ナポリとなるだろう。ただ、スパレッティ監督を迎えたインテルは欧州カップ戦に出場しないというアドバンテージがあり、序盤の難しい試合をモノにすれば一気に優勝争いへ食い込む可能性もある。そして、大胆な補強を行ったミランには大きな期待がかかっており、新戦力が上手くハマれば7年ぶりのリーグ制覇に手が届くかもしれない。

※試合日程は変更となる可能性あり。

文=赤星敬子