中国人に薄毛が少ない理由は「ウーロン茶を飲む習慣」だった!?

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 昨年の第136回日本薬学会で、大手毛髪クリニックが発表した論文が反響を呼んでいる。マウスを使った実験で、ウーロン茶エキスに育毛効果があるというのだ。「中国人のフサフサ頭の理由はウーロン茶なのか」と会場は色めき立ったという。確かにかつて大手かつらメーカーが行った、世界の薄毛調査(主要21か国)で最も薄毛率の低かったのがウーロン茶を飲む習慣のある中国で、高かったチェコ、スペイン、ドイツの半分以下だった。ちなみに、日本も14位と低かったのだが、アジアの国々の中ではもっとも薄毛率が高かった。

 ともあれ、大手毛髪クリニックの発表によると、ウーロン茶には薄毛の原因を阻害するような効果があったという。

 ヘアコンサルタントの五十嵐聖美容師が解説する。

「AGA(男性型脱毛症)を引き起こす要因となるものに5αリダクターゼという物質があります。男性ホルモン(テストステロン)と結合することで、より強力な男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)に変換する酵素です。ウーロン茶に含まれているカテキンがこの5αリダクターゼを抑制する働きがあったというのです」

 しかしお茶に含まれているカテキンに代表されるポリフェノールの発毛効果は以前から研究されている。

 ウーロン茶が、発毛効果に関して、普通のお茶とどこが違うのか。五十嵐氏が続ける。

「ウーロン茶は茶葉を発酵する過程で“ウーロン茶重合ポリフェノール(OTPP)”というものができます。これに強い脂肪分解作用がある。飲めば血液中の脂質が減少し血流が良くなります。そして頭皮にかければ頭皮の余分な脂質を除去し頭皮が清潔になり発毛環境が良くなるんです」

 この効果を得る方法はいたって簡単。食事と一緒にウーロン茶を飲む。洗髪時にウーロン茶で頭皮を洗う。これだけでいいそうだ。

 健康志向が強い中国人は太極拳などで体を動かすことでも体内の代謝を高めているが、ウーロン茶を飲むことなら、すぐ始められそうだ。

(谷川渓)