WECマシンからインスピレーションを得て完成した

 アストンマーティンが3月のジュネーブショーで発表した、新たな高性能ブランド「AMR」。その最初のロードゴーイングモデル「ヴァンテージAMR」が生産開始された。

 2016年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦し、タイトルを獲得した「V8ヴァンテージGTE」からインスピレーションを得て開発された「ヴァンテージAMR」。ボディタイプはクーペとロードスター、エンジンは430bhpを発する4.7リッターV8と、565bhp(アジア太平洋・中国・中東向け)または595bhp(イギリス・欧州向け)を発する6リッターV12を設定する。

 トランスミッションはV8が6速の、V12には7速の、MTまたはAMTを組み合わせることが可能。なお、中東向けはV12のみの販売となる。 ボディカラーは、オレンジのグラフィックを配したストレータス・ホワイト、ブルーのグラフィックを配したウルトラマリン・ブラック、レッドのグラフィックを配したザフレ・ブルー、そしてグレイのグラフィックを配したシンティラ・シルバーの4種類。

 AMR「ヘイローパック」ではさらに、2016FIA世界耐久選手権に参戦してタイトルを獲得した95号車のV8ヴァンテージGTEから直接ヒントを得た、明るいライムグリーンのアクセントが入ったスターリング・グリーンのボディカラーが選択できる。

 また、昨年のGTEレーシングマシンに装着されていた、特別なユニオンジャック・エナメル加工のAMLウイング・エンブレムを無償で装着することも可能となる。 各ボディカラーにはそれぞれ異なる内装色が組み合わされ、素材もクーペはレザー×アルカンターラ、ロードスターはオールレザーとなる。

「ヘイローパック」を選択した場合は、外観と合わせて内装にも鮮やかなライムグリーンのコントラストカラーによる縁飾りが施される。 またオプションとして、CFRP製のシート、フロントグリル、サイドストレーキ、ヘッドランプインフィル、ドアミラーキャップ、インストルメントサラウンド、ドアトップ、室内ドアハンドルなどを設定。

V8が100台・V12が200台の台数限定

 ホイールはV8に5スポークアロイホイール、V12には軽量10スポークアロイホイールが設定され、それぞれ3種類の異なる仕上げが用意される。 さらに、クーペ専用に、アストンマーティンレーシングとのパートナーシップから生まれたCFRP製フロントスプリッター、ダイブプレーン、サイドシル、固定式リヤスポイラーをセットにした「AMRエアロキット」を設定。

 そのほか、ジュネーブショーに出展された「ヴァンテージAMRプロ・コンセプト」に装着されたホイールのデザインを模した鍛造アルミ「AMRヴァンテージホイール」をオプション設定。 そして「AMRチタニウム・エキゾースト」を装着すると、V12ヴァンテージの標準装備品に対し14kg軽量化され、かつ官能的なサウンドが得られ、エンジンレスポンスも向上する。

 限定台数はV8が200台、V12が100台。発表されら価格はイギリスが97,995ポンド(約1400万円)、ドイツが126,995ユーロ(約1600万円)。納車は今年の第4四半期から開始される予定だ。 

 アストンマーティンのアンディ・パーマー社長兼CEOは、「最初のAMRモデルを生産することができ、大変感動しています。限定生産車のヴァンテージAMRは、間違いなくマニア垂涎のコレクターズ・アイテムになると思いますが、ドライブしても非常に素晴らしいクルマに仕上がっています。ヴァンテージAMRのオーナーの方々は、公道だけではなく世界中のサーキットでもこのクルマの走りを楽しんでいただけると確信しています」とコメントしている。

 また、ヴァンテージAMRの両モデルがル・マン24時間レースの会場に展示されるとともに、アストンマーティン・レーシングが今年もGTEクラスに参戦。その結果、#97号車がクラス1位、続く#95号車は9位という順位で幕を閉じた。

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