日本では、使用済みのトイレットペーパーを便器に捨てて流すのが常識。中国大陸では備え付けのゴミ箱に捨てるが常識だ。では台湾はどうかというと、現在ペーパーを便器に捨てる取り組みが進んでいる。しかし、様々な理由により簡単には行かないようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本では、使用済みのトイレットペーパーを便器に捨てて流すのが常識。中国大陸では備え付けのゴミ箱に捨てるのが常識だ。では台湾はどうかというと、現在ペーパーを便器に捨てる取り組みが進んでいる。しかし、様々な理由により簡単には行かないようだ。

 台湾メディア・聯合新聞網は9日、台湾の環境保護署が先日トイレットペーパーを便器に捨てることを奨励する運動を実施したものの、台北市ではなおも45%の市民が慣れずにゴミ箱に捨てていることが明らかになったとする記事を掲載した。

 記事は「多くの市民は、トイレを終えた後にペーパーをゴミ箱に捨てる習慣がある。しかし悪臭や細菌を発生させやすいことから、環境保護署がペーパーを便器に捨てるよう文化を改めるよう指導、奨励している」と紹介。その一方で、台北市環境保護局の調査で、なおも45%の台北市民が習慣を改められていないことが分かったと伝えた。

 この状況について同市の劉銘龍環境保護局長は「トイレットペーパーは短い繊維を使用しなければ水に溶けにくい。そして溶けても下水道で汚泥となる。水に溶けるペーパーを便器に捨てるようになれば汚泥の量が13%ほど増える。集合住宅では定期的な浄化槽の清掃が必要だ。多くの市民が慣れないのは、下水管が詰まってしまうのではないかという心配も背景にある」とコメントしている。

 台北市議会の陳孋輝議員は「多くの国のトイレットペーパーを収集してきたが、台湾のものが最も厚いことに気づいた。日本のように薄くないの」とし、新たな習慣を普及させるために、製紙会社により薄いペーパーを製造させる付帯措置を出すことを提案した。

 日本ではトイレが水洗化する以前から便器にペーパーを捨てる習慣ができていた。それゆえ、水洗トイレもペーパーを流すことを前提として設計されている。台湾では順序が逆で、水洗化が進んだあとでペーパーを流す習慣を導入しようとしている。便器にペーパーを流す習慣を定着させるには、単に市民に啓蒙を行う以外に、ハード面での課題を克服する必要がありそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)