世界の大手旅客機メーカーといえば、欧州の「エアバス」と米国の「ボーイング」になるだろう。特に大型旅客機の分野ではこの2社が市場をほぼ独占している状況にあり、他社が入り込む余地がないほどの強さを誇るが、中国はその市場に食い込むことができるのだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 世界の大手旅客機メーカーといえば、欧州の「エアバス」と米国の「ボーイング」になるだろう。特に大型旅客機の分野ではこの2社が市場をほぼ独占している状況にあり、他社が入り込む余地がないほどの強さを誇るが、中国はその市場に食い込むことができるのだろうか。

 中国メディアの今日頭条が27日付で掲載した記事は、「エアバスとボーイングに挑戦する」ことを目的として開発された中国初の国産大型旅客機C919が間もなく初フライトを迎えることを伝え、その動向には世界も注目していると伝えた。

 記事は、インドメディアの「インディアン・エクスプレス」が25日、C919の開発目的は「エアバスやボーイングに正面から挑む」ことにあると報じたことを紹介。さらにドイツメディア「デア・シュピーゲル」も25日、中国では「エアバスのA320とボーイングの737と競争できる大型旅客機の研究開発」が2010年から始まっていたと報じたことを伝えた。

 インディアン・エクスプレスまたデア・シュピーゲルは、それぞれの各国において影響力のあるメディアであるだけに、中国としてはこれらのメディアがC919が「競争力のある大型旅客機」として認めていることを誇りに感じるのだろう。

 一方で記事は、C919は中国で組み立てられる大型旅客機であるとしても、エンジンは米GEアビエーションとフランスのスネクマによる合弁会社であるCFMインターナショナルが提供していること、ランディングギヤと空気調整系統はドイツ企業のリープヘルの製品だと説明し、機体における重要な部品は中国企業ではなく、国外企業の製品に依存しているのが現実と論じた。

 C919はエアバスA320の「最新型」、および、ボーイング737の「新世代型」との競争を目指しているとの報道もある。記事が指摘しているように、エンジンなどの基幹部品は国外メーカーの製品だとしても、大きな成功は小さな成功の積み重ねであることを考えると、中国が大型旅客機を自ら開発したという事実は決して過小評価できない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)