中国高速鉄道は今や中国を代表する製品の1つとなった。中国国内においても「中国高速鉄道は中国製造業の名刺」であるという論調は多い。中国メディアの求是が20日付で掲載した記事は、日本は政治面、経済面、また、技術面において中国高速鉄道が国際市場に進出するための道を阻んでいると論じた。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国高速鉄道は今や中国を代表する製品の1つとなった。中国国内においても「中国高速鉄道は中国製造業の名刺」であるという論調は多い。中国メディアの求是が20日付で掲載した記事は、日本は政治面、経済面、また、技術面において中国高速鉄道が国際市場に進出するための道を阻んでいると論じた。

 記事は、日本は中国の「一帯一路」戦略に危機感を抱いていると主張。中国が高速鉄道輸出を通じて世界に対する影響力を増大することを案じていると説明し、それゆえに中国の高速鉄道輸出を阻止するのは「日本の外交政策」の一部になっていると主張した。

 こうした政治的な要素が日中の高速鉄道の受注競争に与えている影響について、日本は中国高速鉄道の「安全性」と「技術の独自性」に対して疑問を投げかけており、中国周辺国家の中国に対する猜疑心を利用したうえで中国高速鉄道の輸出に不利な状況を作り出していると論じた。

 また、日本側の関係者が中国と高速鉄道の受注を争う際には「たとえ利益が見込めなくとも、受注を獲得すべきである」と語ったと紹介し、こうした考え方こそ中国に対する強いライバル心と一帯一路戦略に対する懸念を示すものだと主張した。

 一方で記事は、日本はすでに成熟した新幹線技術を有しているうえ、世界最速のリニアモーターカー技術を「すでに完全に掌握している」と指摘、日本の技術面における突破は中国にとっての「リスク」であるとし、中国高速鉄道もイノベーションによって絶えず技術力を向上させない限り、国際市場における競争力を維持する道はないと論じた。

 高速鉄道建設プロジェクトの受注をめぐり、政治面、経済面、また、技術面における日中間の攻防があるという記事の指摘だが、日本はリニア中央新幹線の工事をすでに始めており、技術面では中国を大きくリードしていると言える。だが、中国もリニアモーターカーの自主開発に乗り出しており、将来的には新幹線と中国高速鉄道ではなく、リニアモーターカーによる受注競争がぼっ発する可能性もあるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)