ついついやってない?熟睡が遠ざかる「夜のNG行動」

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朝起きた瞬間に、「疲れた……」思わずそんな言葉が出たことはありませんか?

寝ても疲れが取れないのは年齢のせい? いいえ、必ずしもそうではありません。横になっていても、もしかしたら質のよい睡眠がとれていない可能性があります。

そこで今回は予防医療推進協会の理事長を務める筆者が、ついやりがちだけど睡眠の質を悪くしてしまうNG習慣をご紹介します。

■1:わかってるけどつい……寝る前のスマホ

睡眠や自律神経の話題になると必ず挙げられるのが、寝る直前までのスマホやタブレットの使用です。スマホのブルーライトが交感神経を刺激し、せっかく夕方から優位になり始めた副交感神経の働きが抑えられてしまいます。

副交感神経が優位になってはじめて熟睡できるため、SNSなどをついついダラダラと見てしまうのは睡眠の質を悪くすることに繋がってしまいます。

■2:ホカホカでも眠れない!寝る直前のお風呂

寝る直前の入浴は体温を上げてしまいます。一見、体温が上がった方が寝つきがよいように思われがちですが、実は人は日中よりも深部体温が下がって初めて深い眠りに入れるのです。

子育て経験のある人なら赤ちゃんが眠くなると手足が温かくなるのをご存知かと思います。あれは体温が上がっているのではなく、深部体温を手足から放散して熟睡するための準備をしているのです。このことから、寒い、冷え性などの理由で電気毛布などを使っている人はタイマーをセットし、足元だけを温めることをお勧めします。

■3:1日頑張ったご褒美!多すぎるアルコール

晩酌や寝酒を飲む習慣のある人は、「お酒のおかげでグッスリ眠れている」と“勘違い”しがち。確かに適量のアルコールは入眠をよくしてくれるというデータもありますが、眠っている間も肝臓はアルコールの分解のために働き続けるため、睡眠が浅くなってしまいます。

寝る前のホッと一息のコーヒーや紅茶も当然カフェインの影響で眠りが浅くなってしまうので、お休み前の水分補給は白湯やノンカフェインでリラックス効果のあるハーブティなどにするといいでしょう。

■4:遅い夕食、食後の片づけ前のうたた寝

朝、起きた瞬間から忙しいという人も少なくないでしょう。そして慌ただしい1日を過ごし、気が付いたら遅い夕食……そして夕食が終わってホッとすると、テレビを見ながらついうたた寝。しかし遅い夕食で脂質を摂ったり消化の悪いものを食べたりすると、就寝時間までの時間が短いことと重なって、本人は眠っているつもりでも消化吸収期間はフル活動しています。

また15時以降の仮眠は自律神経の乱れを起こし、入眠が悪くなったり眠りが浅くなってしまうと言われています。いつも夕食後、眠気に襲われる人は昼食後10〜15分ほど椅子に座って机に伏せた状態で仮眠をとると、夕方から夜にかけての活動がしやすくなり、夜の寝つきにも影響が出ません。

「そんなこと分かっているけど……」と思われるかもしれませんが、実際に生活が変わらなければ、体調も変わりません。睡眠の質が悪く安眠できていないと、食欲増進ホルモン“グレリン”の分泌量が増加する上に、睡眠中の新陳代謝を促進する成長ホルモンの分泌量が低下し、お肌の透明感さえ失いやすくなってしまいます。

全ては自分のため。そう思って1つずつでも実践してみてはいかがでしょうか。

【参考】

※ 健やかな睡眠と休養 - e-ヘルスネット 厚生労働省

【筆者略歴】

※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。著書は『本当は怖いデスクワーク(日本実業出版社)』。

【画像】

※ Yuliya Yafimik / shutterstock