栄養士がオススメする腸活食材「昆布」の活用法
普段、海藻って食べていますか? 海苔(のり)、わかめ、ひじき、もずくに昆布と日本人はさまざまな海藻を食べる文化を持っていますが、昔に比べると最近では「あまり海藻を食べない」という人も増えているようです。しかし、海藻には野菜とはまた違う栄養バランスが詰まっているんです。
今回は管理栄養士の筆者が、昆布の驚くべき栄養成分と、日常の食卓に手軽に取り入れるコツをご紹介したいと思います。
■知っておきたい昆布の雑学
最初に昆布の雑学を少し……昆布といえば出汁を引く素材で、まさに和食の象徴的存在ですが、ほとんどが北海道産です。
昆布巻きや結び昆布などでおせち料理にも使われる昆布は、“よろこんぶ(喜ぶ)”の語感から、縁起のよい食材としても用いられてきました。鎌倉時代ぐらいには、北海道から全国に昆布が輸送されていたようです。
■腸が喜ぶ昆布の栄養とは
そんな昆布ですが、ミネラルが豊富です。そして何と言っても特徴的なのが食物繊維を多く含んでいること。これが美容や健康に欠かせない腸活につながります。
昆布のヌメヌメがアルギン酸やフコイダンという食物繊維です。これらは水に溶ける水溶性食物繊維で、腸の中で便の通行をスムーズにしたり、腸内の善玉菌のエサになって腸内環境を改善する作用が期待できます。それに加えて低カロリー。まさに身近なスーパーフードだと言えます。
■一工夫で昆布が手軽に使える食材に
昆布って出汁をとる以外にどう料理に使っていいか、すぐに思い浮かばなかったりしますよね。でも、実は簡単に料理に使ったり加えたりすることができるんです。
まずいつも出汁を引いている昆布は水気を取って冷凍しておき、ある程度たまったら醤油やみりん、酒、砂糖で良く煮て佃煮にすれば、よきごはんのお供になります。
他にも便利なのが、とろろ昆布。常備しておけば味噌汁に加えたり、納豆や豆腐にのせて簡単にとれて、いつもの食卓に変化が与えられます。
細く刻んだ刻み昆布も料理に使いやすく、炒め物、煮物はもちろん、よく水で戻せばそのままサラダにも使えますよ。
いかがでしょうか? 地味な存在でともすれば忘れがちな海藻ですが、水産資源に富んだ日本だからこそ味わえる味覚と栄養が詰まっています。ぜひ、もっと食卓に登場させる機会を増やしてみてくださいね。
【筆者略歴】
※ 圓尾和紀 ・・・ 管理栄養士。総合病院勤務を経て予防医療を志し、独立。和食素晴らしさを伝える活動と、“不自然な食べもの”にあふれた環境で、定期的に身体をリセットする目的からファスティングを取り入れた生活の提案を行う。カラダヨロコブログ。
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