禁止するとますます…!? ダイエットしたいのに「甘いモノ」がやめられない理由
ダイエットを始めるときに、まず「甘いものは食べない!」と心に誓う人も多いのではないでしょうか。しかし強く決心をしたはずなのに、「せっかく頂いたんだから」「期間限定スイーツだから……」と何らかの言い訳をしながら、つい食べては後悔のため息をつくことって多いですよね。欲求と罪悪感が混沌とする気持ちでのダイエットは辛いものです。
そこで今回は心理カウンセラーでもありダイエット指導歴24年の筆者が、甘いものがやめられない原因と対処法をご紹介します。
■1:禁止されるとより欲求が強くなる!?
例えば売り切れの商品こそ気になるとか、子どもの頃に「まだ早いからお化粧はダメ!」と言われて余計にメイクをしてみたくなったとか、そんな経験はありませんか? これは行動心理学で“カリギュラ効果”と呼ばれる心理作用です。ダイエットをする際に「甘いものを食べちゃダメ!」と自分自身に禁止することで、より一層甘いものが食べたくなるのも、このカリギュラ効果のせいだと言えます。
では禁止しなければいいかというと、そうすれば欲求の赴くままに食べてしまうリスクが伴います。筆者お勧めの方法は、生理前など頑張っても痩せにくく、精神的にも不安定になりやすい時期に、ブラックチョコレートや普段はあまり手を出さないような高級スイーツを1度だけ食べてもいいというルールを設けるなどして、自分にご褒美をあげること。
高級スイーツをホテルのラウンジなど、落ち着いた高級感のある場所で食べると更にテンションが上がり、次の生理前までの頑張りへと繋がりやすくなります。
■2:ダイエットの目的を明確にして、甘いものから意識をそらす
もちろんダイエットの目的は痩せることでしょう。しかし痩せても誰も気づいてくれなかったら、どうでしょう。きっと「せっかく甘いものも我慢して頑張って痩せたのに……」と、寂しい気持ちになることでしょう。そこには人の持つ“承認欲求”を満たしたいという思いがあります。
「痩せてきれいになったね」と周囲に認められたい! 痩せて自分の好きな服を楽しみたい! それがダイエットの本当の目的ではないでしょうか。ダイエットの目的は甘いものを我慢して必死の努力をすることではないことに気づきましたか? そこに気づけば、意識を甘いものから少しそらすことができるのではないでしょうか。
■3:実はデブ子にも多い栄養不足
太っている人に多いのが、糖質過多だけでなく、必要栄養素の不足です。新鮮な野菜に含まれるビタミンCや食べたものをエネルギーとして代謝する際に欠かせないビタミンB群やマグネシウムなどのミネラルは摂れているか。食べ過ぎているものではなく、足りないものに意識を向けることも、甘いものの食べ過ぎを防ぐことに繋がります。
ビタミンB群は豚ヒレ肉やレバー、納豆などに、マグネシウムなどのミネラルは海藻や大豆製品に多く含まれています。引き算ダイエットを考えるとどうしても甘いものがほしくなってしまいますが、足し算ダイエットに切り替えるだけで、食べるべきものが多くて、甘いものどころではなくなる人もいます。
また、必要栄養素が不足することでも体が甘いものを欲する場合もあるので、甘いものが食べたくなったときは「ミネラルは足りてる?」「ビタミンB群は足りてる?」と自分に問いかけてみましょう。
いかがでしたでしょうか。ダイエット中もやみくもに我慢するだけではなく、身体の声をきいて、内側から美しくなることを目指してくださいね。
【筆者略歴】
※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。著書は『本当は怖いデスクワーク(日本実業出版社)』。
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