「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」5話。芸人の街・中野で今、メイプル超合金安藤なつの思うこと

写真拡大

あちらはマンション購入、こちらは賃貸。今クール、「プリンセスメゾン」(BSプレミアム、毎週火曜23:15〜)とともに人々の人生の転換点を支える「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」(テレビ東京系、毎週金曜深夜0:52〜)の重田姉妹。先週放送の5話は「中野」。


ソフトクリームとうどんが心をとかす


今回、重田不動産にやってきたお客は映画の助監督として忙しい日々を送る里名(中村映里子)。寝る暇もない暮らしのなかで、監督の住む阿佐ヶ谷に近い物件に引っ越そうと訪れた。
監督の近くという以外にも「自分が映画を志すきっかけとなったバウスシアターがあった街だったから」と吉祥寺を選んだ強い動機があり、部屋の条件についても「お風呂、重要なんです」とはっきりと伝えている。彼女は、過去のいまいち条件がはっきりしない客に比べ、自分のほしいものを明快に知る人だ。
だからこそ、気負っている。「たったひとつでも本当にほしいものが手に入ればいい」と安定した仕事を捨てた。そのために走り続ける今に後悔はないが、不安になることもあるという里名。
しかし中野を案内され、ソフトクリーム屋でうどんをすするというチグハグなことを涼しい顔でやってのける都子や、物件案内の途中に飲み屋で一杯やってしまう重田姉妹に巻き込まれるうち、里名は「駆け込める場所があるって、いいですよね」と心をほぐしていく。

安藤なつにとっても馴染み深い街、中野


居酒屋でビールを飲みながら「あー、やっぱり中野は落ち着くな〜」とこぼす都子(安藤なつ)のセリフは、安藤本人と重なる。というのも、中野は安藤にとって馴染みの深い街だからだ。放送日につぶやかれた安藤のTwitterが、それを物語っている。

本日は中野でした。自分も中野はお笑いライブの劇場にしょっちゅう行ってるところで、夏は公園で仲間と飲むという慣れ親しんだ最高の地
#吉祥寺だけが住みたい街ですか

Studio twl、なかのZERO視聴覚ホール、なかの芸能小劇場……。東京の芸人たちはこれらキャパ50〜100人前後の劇場に立ち、腕を磨き続けている。メイプル超合金もご多分にもれずその一組だ。そしてメイプルは、これだけテレビで活躍するようになったあとも、相変わらずこのサイズのライブにコンスタントに出演を続けている。
テレビのバラエティ番組には若手芸人が溢れているが、その中に新顔が混じることは決して多くない。さらに新顔が1年、2年と出続けてお馴染みの顔になることは、もっと少ない(富子を演じる森三中大島は、ずいぶん若い頃からお馴染みの顔として出続けている。この双子は似ているようで、立つ場所はだいぶ違う)。そしていまも、賞レースには毎年数千組が挑戦し続ける。昨年のM-1グランプリで強烈な印象を残し、まさに今「1周目」を走り抜けようとしている安藤にとって、いま「ひとつだけ、本当にほしいもの」とはいったいなんだろうか?

又吉ゾーンに動きが! 紹介された物件とは?


さて、本編とは関係のないピース又吉ゾーン。今回、勲男(浅香航大)から送られたのは、いつものように不可思議なお題ではない。なんと物件紹介のメールだ。カタカタとキーボードを打つ勲男の顔も、心なしか誇らしげだ。
バルコニーから井の頭公園が見渡せるすてきなマンションの間取り図を眺める又吉。井の頭公園といえば、かねてから又吉のエッセイに書かれていたし、『火花』にもよく登場した。
しかし又吉はといえば、特徴あるバルコニーに注目するばかり。バルコニーを、そして部屋自体を擬人化し、独創的な解釈を展開し、結果なぜか勲男に自分の好き嫌いを報告することに。
果たして、又吉の理想の部屋が見つかる日は来るのだろうか。

(釣木文恵)