多くのチャンスを作ってチームを牽引している原口だが、攻撃の選手としては自身のゴールも早く欲しいというのが正直な気持ちだ。 (C) Getty Images

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 4位ヘルタ・ベルリンと2位ケルンの上位対決は、2-1でホームのヘルタに軍配が上がった。
 
 原口は左MFとして先発フル出場を果たし、2トップの一角として先発した大迫は、ハーフタイムで交代となった。
 
 この試合で原口は、チーム最多となる3本のシュートを放ったが、決定的なシュートどころか、枠を捉えることもできず、今シーズン初ゴールを決めることは今回もできなかった。
 
 まずは16分、相手陣中央でこぼれ球を拾うとターンで前を向き、右足でシュート。これは左に外れた。後半に入ると49分、ペナルティーエリア左に侵入して左足を振り抜くが、これはうまくミートせず、DFに弾かれてしまった。
 
 さらに59分、相手陣内でイビシェビッチがボールを奪うと、エリア右に走り込んだ原口へ。右足で放ったシュートはアウトサイドにかかり、ゴールから大きく外れてしまった。
 
 このシーンを、原口はこう振り返る。
 
「ダイレ(クト)でクロスを入れるか(シュートを打つかで)迷いましたね。ダイレでGKとDFのあいだに入れようと思ったんですけど、誰も(ゴール前に)入ってなくて。とっさに(クロスを)やめて、その迷いからの……落ち着きがなかったですね」
 
 開幕から好調を維持しながらも、まだゴールは生まれていない。もちろん毎試合狙ってはいるものの、なかなかゴールが生まれない要因を、原口は次のように見ている。
 
「僕の余裕がないからですね。力みましたね。それ(ゴール前)以外の部分では力が抜けたプレーができていて悪くはないんですけど、最後のところ(の落ち着き)ですね」
 
 ゴール前以外の部分では落ち着いてプレーできているという言葉を証明するようなプレーもあった。
 
 17分、コーナーフラッグ付近でボールに追いついた原口は、マルセイユ・ルーレットからすぐさま右足でボールをつつき、相手を股抜きしてみせた。このプレーには、スタンドからも大きな歓声が沸き上がった。
 
「あそこで普通にキープしても、スローインが取れればいいくらいなので、イチかバチかトリッキーなことを狙いました」と語った原口だが、こうした遊び心を持てるほど、状態は良いようだ。
 
 あとは、この落ち着きをゴール前で発揮できるかどうか。次節の相手であるホッフェンハイムも好調であり、厳しい戦いとなるが、今シーズン初ゴールを狙っていきたい。
 
 一方、契約更新後の試合を勝利で祝いたかった大迫は、ハーフタイムで交代。前日練習で右足のふくらはぎを負傷したものの違和感がなかったため先発したが、パフォーマンスが良くないと判断したシュテーガー監督は、交代に踏み切った。
 
「僕自身、あまりタッチの部分が良くなかったのでしょうがないです」
 
 そう本人が振り返ったように、この日の大迫はボールが足に付かず、トラップが大きくなってボールを奪われるシーンがたびたび見られた。
 
 チームも重要な一戦で悔しい今シーズン初黒星を喫し、大迫としても悔しさがあるのか、「次に切り替えて頑張ります」と切り上げた。
 
現地取材・文:山口 裕平