日本で馴染み深い「お客様は神様」というフレーズを耳にしたことのない日本人はいないだろう。この言葉は日本の商売、サービス精神の高さを示す言葉として中国でも広く知られている。短い言葉だが、商売において大切な理念を見事に言い表している。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本で馴染み深い「お客様は神様」というフレーズを耳にしたことのない日本人はいないだろう。この言葉は日本の商売、サービス精神の高さを示す言葉として中国でも広く知られている。短い言葉だが、商売において大切な理念を見事に言い表している。

 中国メディアの新浪はこのほど、経済成長率が低下している中国では「もはや何をやっても儲からない時代になりつつある」と主張する一方で、停滞から抜け出して発展へと向かうには、「これまでの思考パターンを転換させる必要がある」と指摘している。

 記事は、中国企業には「生産者がモノを生産すれば、消費者はそれを買う」という思考パターンが伝統的に根付いていると指摘。確かに計画経済のころの中国であれば、この思考パターンでも経営は成り立ったかもしれない。モノが不足していた時代はそれで通用したが、現在はモノがあふれているうえに、中国の消費者も「個性」を重視するようになっているため、伝統的な思考パターンでの経営は企業を「窮地」に追い込むと説明した。

 続けて、中国企業は今こそ思考パターンを転換させるよう提言、「作れば売れる」という生産者中心の考え方を「消費者は何を求めているか」という消費者中心の考え方に転換させる必要があると説明した。さらに個性が非常に重視されるようになった現在、大量生産を多品種少量生産に変化させることも大切だと指摘した。

 日本を旅行で訪れた中国人が感銘を受ける点の1つに、日本の様々な店舗における店員の接客態度の良さが挙げられている。たとえ商品を買わなくても礼儀正しく接する日本の店員の姿が深く印象に残るようだが、この背景には中国人旅行客たちが普段中国でどのような接客を受けているかを物語る事例ともいえる。

 この事実と記事の内容を結び付けて考えると、日本人の接客態度の良さにはもちろん礼儀に対する日本人独特の考え方も関係しているが、消費者中心の思考パターンがしっかり根付いていることが分かる。逆に言えば、記事が指摘する思考パターンの転換を中国企業が達成できたかどうかは、中国国内における小売店での接客態度を見ていれば分かるとも言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)