日産R35GT-Rをエクステリアで見わける方法(11〜17年モデル)

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初のマイチェンといえる11年モデルから最新17年モデルまで

前回お届けした

まず、フロントバンパーおよびリップスポイラーの形状を変更。グリルおよびバンパーの開口部を拡大するとともに、バンパー左右に配される整流フィンが1本から2本になった。上のフィンは高輝度白色LEDデイライトの機能も兼ねるようになっている。

リヤもディフューザーの形状を変更し後端を延長。LED式のバックフォグを備えると同時に、左右にエア抜き用のアウトレットを追加した。

また、左右4本出しのマフラー出口径をMY10までの120Φから130Φにサイズアップ。ホイールもMY10までの骨太な7本スポークから10本スポークタイプに変更。従来比で3kg/4本の軽量化も実現した。

続くMY12/MY13は外観の変更はごくわずか。どちらかというとシャシーやエンジンの進化が大きかった。ちなみに、スカイライン(GT-R含む)の伝統と言えば「丸型4灯テール」。R35からスカイラインの名は外れたものの、テールランプは伝統の丸4灯を継承している。

しかし、日本仕様のみ法規の関係でMY07からMY11まではブレーキ=内側2灯のみ、ライト点灯時=外側2灯のみと、4つ同時点灯させることができなかった。しかし、11年の法改正を受けて、MY12からはブレーキ/テールランプともに晴れて「4つ同時点灯」を採用。

これを機に従来モデルのオーナーに向けて、日産ディーラーでは「テール4灯キット」を期間限定で発売したという逸話も。

開発陣を刷新して従来のハード志向から一転プレミアム路線に

●中期モデル/MY14・MY15

R35のデビューからMY13まで開発責任者を務めた水野和敏さんが退任し、2013年4月1日からはR34スカイラインGT-RやGT-Rコンセプトを担当した田村宏志さんがチーフ・プロダクト・スペシャリスト(CPS)に復職。加えて、V37スカイラインを担当していた田沼謹一さんがチーフ・ビークル・エンジニア(CVE)に就任した。

これ以降、R35GT-Rはまったく新しいチームで開発されることになった。その第一弾となったのが2013年11月にデビューした「MY14」。約半年という短い開発期間であったものの、ヘッドライト/テールランプのデザインを一新。従来はハード路線を突き進んでいたサスペンションも、「大人のGT」を標榜するソフト方向へとシフトした。

HID式からLED式に改められたヘッドライトには稲妻型のデイライトを内蔵。また、ドット(点)方式からリング方式に変更されたテールランプなどは従来モデルにも流用可能。

それ以外は、フロントフェンダーダクトの色が従来のガンメタからシルバーに変更された程度。外観が大きく変わらなかったこともあり、前後ライトを換えると見分けがつかないということから、「MY14仕様」にアップデートするオーナーが続出した。

前後ライトを交換すると50万円以上かかるのだが……。ちなみに、MY14からオプション設定の新色「ゴールドフレークレッドパール」が追加された。

2014年11月に登場したMY15は、MY14と外観の差異はなし。唯一違うのは室内のギヤセレクター(シフトノブ)の形状。上部に位置するボタンがMY15以降は出っ張った形に変更された。

※MY07

※MY15

ビッグマイナーで大幅な変更が加えられた17年モデル

●後期モデル/MY17

今年の3月25日にニューヨーク国際オートショーで初公開、7月11日に日本デビューを飾った最新のR35「MY17」。発売からじつに9年目の「ビッグマイナーチェンジ」が敢行された。

まず目を引くのは、新色として設定された「アルティメイトシャイニーオレンジ」。こちらは4コート/2ベークという贅沢な処理を施したGT-Rだけの特別塗装色。その他のボディカラーはMY15を踏襲している(ゴールドフレークレッドパールのみ廃止に)。


ボディデザインも大幅に変更され、前後のバンパーはGT-R NISMO譲りのエッジが効いたデザインに。フロントバンパー開口部は従来比で20%拡大され、冷却性能も向上しているという。また、日産のアイデンティティである「Vモーショングリル」が採用され、ボンネットフードもグリルのV字ラインに合わせて形状が変更されている。

注目してほしいのはヘッドライト下のデザイン。ブラックアウトされた部分にLEDデイライトが組み込まれているが、これは2001年のGT-Rコンセプトのイメージを継承する狙いがあったそうだ。ちなみにこの部分、メッシュ風のデザインになっているが、実際にはダクトとしては機能していない(穴は開いていない)。


前後バンパーのみならず、サイドステップも従来のフラットなタイプから盛り上がりのあるデザインに。外観の変更点は、すべて超高速域での空力性能を追求した結果とのこと。

また、MY17ではボディ剛性(とくにキャビンまわり)も強化。ルーフやピラーの構造を変更したことで、従来までリヤクオーターにあった「折れ目」がなくなり、なだらかな形状に改められた。これにより、キャビン後方で発生していた微少な乱流を抑えることに成功しているという。

ちなみに、前後のライト形状はMY15と共通。ヘッドライトのみ、内部のパネル色味が若干変更されている。

ここに挙げた以外にも、MY07からMY17までのR35GT-Rは細かい点が変更されてきた。10年に迫るロングライフモデルということもあるが、これまでの国産車では例がないほど、歩みを止めることなく進化を続けてきた異例のクルマだ。

なお、最新のMY17の変更点は外装のみにあらず。内装やスペックも大幅に進化している。そのあたりについては、近日中に「続編」をお届けする予定だ!

(文:GT-R Magazine編集部)