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ビタミンは美容や健康にかかせない物質。毎日の食生活で、ビタミンの摂取を心がけている人も多いのではないだろうか。
ビタミンはバランスよく摂取することが大切だ。ここで、多数あるビタミンの種類を振り返ってみよう。
ビタミンA、B、C、D、E、F、G、H……K!?
ん!? アルファベット順に美しく羅列されているのかと思いきや、ビタミンIとJをとばして、いきなりKになってる!?
これはA型の筆者、気持ち悪くてたまらない……。そこで今回は、ビタミンの歴史を辿ってみることにした。

ビタミンを最初にみつけたのは日本人


ビタミンとは、体の代謝に重要な働きをする物質で、体内で生合成できない化合物のことをいう。
1910年に農芸化学者である鈴木梅太郎博士が初めてのビタミンであるオリザニンを発見した。ただ、論文が日本語だったためにあまり認知されず、1911年にポーランドのフンク博士が同じ成分を発見。バイタル+アミンからビタミンと名付けて、世界的に広まることになる(このとき見つかったのは、のちのビタミンB1であった)。
その後、1913年にアメリカでバターや卵黄から成長因子がみつかる。この内、脂溶性のものをA、水溶性をBとし、ビタミンA、Bが誕生する。
1919年にイギリスでビタミンCが発見され、1922年にアメリカでビタミンD、1924年にビタミンEがみつかった。
ここから、ビタミンは発見された順でアルファベットが付けられ、整理されるようになったわけである。
ここまでは納得。大変美しく整列している。
が、ここにきて1934年、いきなりデンマーク人の科学者が新たなビタミンをビタミンKと名付けたのだ!

いきなりKをもってきたデンマーク人のダム博士


1934年、コレステロールの研究中であったカール・ピーター・ヘンリク・ダム博士は、脂質を含まないエサを与えたニワトリに皮下出血を起こしやすい症状が出たことから、血液を固める新たな成長因子があるのを発見。それを“凝固”を意味するドイツ語Koagulationsの頭文字をとってビタミンKと名付けた。
おまけに、ここにきて化学物質に関する研究は急加速。ビタミンBがいくつかのビタミンに分かれ、当時ビタミンGやHと名付けられていたいたものがビタミンB群に含まれることに。そしてビタミンFは脂肪酸であり、ビタミンではないことがわかり、別名で表記されることになってしまった。
ビタミンの整列の乱れは、ダム博士のせいだけではなかったようだ……。

そもそもビタミンは、仮称だった


アルファベットで羅列されていたビタミンだが、これはそもそも正式な化学構造が明らかになるまでの仮称だったのだそうだ。
たとえば、ビタミンCの正式名称はアスコルビン酸。ただし、今となっては知名度はビタミンCの方が高い。

ビタミンの歴史はまだ始まったばかり


新しいビタミンは、1948年にビタミンB12がみつかってから発見されていない。
2003年に理化学研究所で、半世紀ぶりにビタミンが発見されたと話題になったが、結局はビタミンとして認定されていない。
ビタミンの歴史はまだ、およそ100年足らずである。
A型としては、やはり気持ち悪いので、誰でもいいから新しいビタミンを発見して、ビタミンIとJと名付けてほしいと思う。でも、中には自己顕示欲の強い研究者もいるだろうし、自分の名前とか、変な名前をつけてしまうかも……。それも心配だ。
(YUE/プロップ・アイ)