「パクチーが好き!」という声を聞く機会、最近はとみに多いです。一方で「俺、パクチー駄目なんだよなぁ……」と二の足を踏む人(主に男性)の数も少なくないはず。ということは、両者がもし付き合ったとしたら悲劇じゃないですか? 食事に行く場合、“好き”の側がいつも遠慮することになるわけで。

パクチーまみれの一週間


実は私も、そんなに得意な方ではありません。そこで今回、ショック療法的にパクチー専門店を検索してみました。結果、見つかったのは東京・銀座にある「オリエンタルマーケット猛烈食堂 有楽町店」。


ここ、7月4日よりパクチーをメインに使用する「ハーブ・スパイス専門店」としてリニューアルオープンしたそうです。また7月4〜31日までは、ディナータイムに「○○すぎる!? 日替わり猛烈メニュー」と名付けられた特別メニューを提供するとのこと。

昨日(4日)、それらのメニューを紹介するメディア向け試食会が開催されており、私も行って参りました!
「多くのお店は生のままのパクチーを使うことが多いと思いますが、ここでは揚げたり煮込んだり、料理としてひと味違うパクチーをお楽しみいただくことができます」(メニュー開発した料理研究家のおおつきちひろ先生)


おおつき先生はスペイン料理研究家だそう。要するに同店では、辛いパクチーや奥行きのあるスパイスを用い、スペイン料理をベースにしての料理を提供するようです。

●【月曜日】『高すぎる!? 俺のガーリックシュリンプ』(990円)


たしかに、背が高い! でも、ガーリックシュリンプは大好物です。というか、エビが苦手な人は少ないでしょう。まずはシュリンプだけを食してみると、やっぱりおいしい。でもガーリックがこってり効いてて、そんなに多くはいただけないかもしれない……。ちょっと、トゥーマッチ。では、これにパクチーを和えていただこうと思います。


“こってり”と“さわやか”が出会って、ちょうど良くおいしいです! そうか、こういうパクチーの食べ方ならアリですな。

●【火曜日】『長すぎる!? 花束生春巻き』(790円)


長げぇー! 土管みたいな長さです。もちろん、このまま頬張るわけではない。カットして、キウイソース(生のキウイをペーストしておろしたもの)かスイートチリソースに付けていただきます。



どうやら、中にはカニ玉、水菜、パクチーが挟んであるよう。では、食べます。ガブッ! ……おぉ、口から溢れんばかりのパクチー! でも、共に含まれているカニの存在感によって物足りなさは免れてます。

●【水曜日】『多すぎる!? バケツdeパクチーハイボール』(680円)


テーブルに運ばれてきた途端、パクチーの香りが凄い! これをグラスに入れ、一緒にパクチーも入れちゃうとお洒落。モヒートでミントをつぶすのと同じ感覚で、パクチーを浸して飲む。こうすると、見た目も良いです。


ちなみに、ベースはジンビーム。このバケツ一つでグラス6杯分あるそうですが、お店の方では「バケツを持って、お一人でググッと飲んでいただくことをオススメしています」とのことでした。

●【木曜日】『新鮮すぎる!? パクチー(根つき)食べ放題』(200円)


花瓶じゃないですか、これは! ここから摘んで、既にオーダーしている料理にパクチーを追加してもいいし、お酒に入れてもいいし、もちろんそのまま食べてもいい。あまりにもド直球ですが、農家直送の“生のハーブ”や“有機栽培のパクチー”を使用している同店ならではの一品でしょう。

●【金曜日】『しびれすぎる!? エビと春雨の蒸し炒め(シビレたい人へ)』(790円)


この料理がテーブルに運ばれるや、スタッフさんが目の前で山椒をガリガリ落として味付けしてくれます。結果、舌がしびれるからこのメニュー名なのですが、いざ食べてみると全然大丈夫です。絶妙なアクセントになってる。パクチー、春雨、エビ、山椒によるハーモニー。一週間の中で、最も“アジア”を感じさせてくれる一品でした。

●【土曜日】『盛りすぎる!? 緑三昧四(ミドリザンマイフォー)』(1,090円)
これは、ベトナムやミャンマーからやってきた料理人の多い同店厨房にて親しまれたまかない料理が元となった一品です。


具材にはもやしと鶏肉があり、フォー自体は優しい塩味に。そこにミント、パクチー、バジルを乗せて食べます。特にミントは風味が強烈で入れると味が一変しますが、そこはお好み次第。お好きなスパイスを好きな量だけ調節して入れ、お腹を満たすメニューでしょう。



●【日曜日】『でかすぎる!? ハーブなお好み焼き(バインセオ)』(1,190円)


通常の2.5〜3倍の大きさを誇る、もやしと豚肉が含まれたお好み焼き。これをいい具合の大きさにカットし、パクチーと共にレタスで巻いていただくとグッドです。


焼き肉的な感覚で、パクチーとお好み焼きを食します。

パクチーは、意外と食べれる


……と、期間限定のディナータイム特別メニューを体験してきましたが、はっきり言っておいしかったです。全然大丈夫でした。というか「大丈夫な食べ方を紹介してもらった」という言い方が正しいかもしれない。

そんな同店が想定する主なターゲット層は、“30代以上の働く女性”だそう。
「パクチーは好き嫌いのある食材ですし、特に男性は『エーッ!』となりがちです。でも火を入れたら、実は意外に食べれたりするんですよね。ですので、通常メニューにはパクチー入りのオムレツですとか、豚バラでパクチーを巻いた天ぷらなども提供しております」(担当者)

今まで狭いと感じていたパクチーの間口がググッと広がった感があります。パクチー好きの彼女が苦手意識を持つ彼氏を連れて来てもいいかもしれません。
(寺西ジャジューカ)