記者発表会などの取材へ行くと、イベントの最後に写真撮影の時間が設けられるのは常。壇上に立つ芸能人・著名人に対し「目線お願いしまーす!」と呼びかけ、親切にもカメラ目線が送られ、ベストな写真をしっかりと撮影。被写体のサービス精神により成立するグッドショットです。

じゃあ、被写体がワンちゃんだったらどうしよう? そりゃもう、ワンちゃんの気の向くままでしょう。自分の向きたい方を向き、たまに「クゥ〜ン」とか鳴いたりして。

ボール好きのワンちゃんから注意を引く黄色いテニスボール


そんなことを思ってたら、ちょっと面白いツールを発見しました。株式会社ドスパラが6月20日より発売している『こっち向いてワン』(税込799円)は、言わば"ワンちゃん撮影最適化グッズ"です。


テニスボールを掴んだピッチングマシンみたいに見えますが、そうではありません。

愛犬をスマホやタブレットで写真(動画)撮影したい時、ワンちゃんたちはなかなかこっちを向いてくれません。そして、「クゥ〜ン」とか鳴いたりして。
そうとなったら、スマホ・タブレットに『こっち向いてワン』のスタンドと付属のテニスボールを装着させます。するとワンちゃんはテニスボールに意識が行き、結果的にワンちゃんがカメラ目線をくれる……という流れが期待されるのです。

それにしても、シャッターチャンスをいただくためにテニスボールを活用するという発想が面白いですよねぇ。では同社広報の佐久間康子さんに、テニスボールが使われている理由を伺ってみました。どうやら、以下の4つの理由があるようです。
1.黄色は(たぶん)ワンちゃんの注意を引きやすい。
2.硬いので、噛み付いてもボロボロになりにくい。
3.撮影後は飼い主がテニスで遊べる。
4.世間の大多数のワンコはボール好き
やっぱり、ワンちゃんのボールを追っかける習性を多分に意識しているようです。

ワンちゃんがチラチラとこっちに視線をくれた


物は試しだ、実際に『こっち向いてワン』を取り寄せてみました。じゃあ、手持ちのiPhoneに設置します。スタンドのクリップ部分でスマホを挟み込み、




そして、テニスボールをかまします。


テニスボールの重さが作用して油断してると結構グラつくので、スタンドは奥までしっかり挟み込んだ方がいいですね。

さて、これで本当にカメラ目線をもらえるようになったのでしょうか? 実は筆者の身近にワンちゃんがいないので、ダメ元で街行く人にスマホを構えてみたいと思います。
では、人通りの多い場所で明らかに写真を撮ろうとする構えをしてみます。……ダメだ。テニスボールうんぬん以前の問題に、筆者が怪しすぎて誰もこっちを見てくれませんでした。

じゃあ、今度は近所のかき氷屋さんが飼っているワンちゃんにスマホを向けてみます。すると、最初はテニスボールの存在に気付かなかったのか何食わぬ顔だったのですが、テニスボールに気付いたらチラチラとこっちを向いたり、よそ見したかと思ったらまたこっちを向いてカメラ目線を送ってくれたり!
かき氷屋のご主人に掲載NGを食らってしまったのでここにその時のワンちゃん写真を載せるわけにはいきませんが、イメージ画像としてはまさにこんな感じです。


愛らしい!
「私も実際にこのツールを使ったら、自宅のワンちゃんからは目線をゲットできました!」(佐久間さん)
同社内では、今までワンちゃんの決定的なショットを撮るのに苦労していたスタッフさんが「こんな商品を待っていた!」という言葉を漏らしたそうです。

でもこの『こっち向いてワン』、やっぱり"犬専用"でしょうね。犬の習性があればこそだろうし、なんたって商品名が「こっち向いてワン」だし。
「いえ、そんなことはないと思います。丸い物は人間の赤ちゃんも大好きですし、ネコちゃんに関してもボールを好きな子は多いと聞きますし……」(佐久間さん)

あとこれ、決してスマホやタブレット専用じゃありません。当たり前ですが、クリップ部分が挟めればデジカメにだって活用可能。
「もし挟めない場合は、ボールを本体からはずし、手で持って『こっち向いてワン!』と言えばいいと思います」(佐久間さん)



これを活用すれば、カメラ目線のワンちゃんを撮るベストショット確率が向上するかもしれません。あと、愛犬と一緒の自撮りにも使えるでしょうね。
(寺西ジャジューカ)