中国では日本について「国土も小さく、天然資源も少ないにもかかわらず、先進国に上り詰めたことは称賛に値する」という論調を見かけることがある。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では日本について「国土も小さく、天然資源も少ないにもかかわらず、先進国に上り詰めたことは称賛に値する」という論調を見かけることがある。

 韓国は日本より国土が小さいうえに、人口も少なく、さらに天然資源も日本同様に少ないが、それでも韓国も先進国となった。韓国経済は朝鮮戦争によって大きな打撃を受けたが、その後の「漢江の奇跡」と呼ばれる経済成長を成し遂げ、今では世界に名だたる企業も数多く存在する。

 経済協力開発機構(OECD)加盟国である韓国は先進国として扱われるが、中国メディアの今日頭条はこのほど、韓国はいかにして先進国になったのかと疑問を投げかけ、その理由を考察する記事を掲載した。

 記事はまず、韓国が経済発展を遂げる素地として、「日本による統治」を挙げている。韓国国民の1940年代における識字率はアジアの平均を大きく上回っていたとし、これには日本による占領の歴史も関係していると指摘。さらに、日本は韓国の民主と人権を破壊したとしながらも、韓国のインフラ整備に貢献を果たしたのは否定できないとし、その後の韓国政府の教育もあって、国民の識字率は大きく向上したと指摘、韓国が先進国となったのは「優秀な人的資本という国の礎があったため」と論じた。

 また、1960年代の韓国はまだ貧しい国で、北朝鮮と同等だったとしながらも、当時の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領が推し進めた対外開放政策や日米との関係深化によって国内総生産は拡大を始めたと指摘している。

 米国の援助があったとはいえ、韓国の経済発展は「教育」と「開放政策」があってこそと言えそうだ。中国は現在、これまでの発展モデルからの転換を余儀なくされており、中所得国の罠に陥るのではないかとの懸念も存在する。日本や韓国が中国より不利な条件下でありながらも、先進国となった理由が中国で改めて注目されている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)