「カレーは飲み物です」というウガンダ・トラによる名言がありましたが、私にとってカレーはやっぱり食べ物です。ランチでもいいし、ディナーでもいいし、とにかくムシャムシャ食べるメニュー。何度も言うけど"飲む"んじゃなくて"食べる"んです。

「カレーは飲み物」が、現実となった


しかし、今回ばかりはいよいよ飲むしかない。「トンボ飲料」(富山県富山市)は、今年の4月1日より『金沢カレー コーラ』なる飲料を発売しています。


キャッチフレーズは「カレーを飲み物にしました(笑)」。

なんで、カレーの飲み物にしちゃったのか? 同社に聞いてみました。
「当社では以前より、北陸のグルメを飲料化するという試みにチャレンジしています。これまで富山が続いていたので、今回は石川県のご当地グルメをリサーチし、金沢カレーに行き当たりました」(同社・金田卓さん)
4月1日発売ということでジョークと受け取られかけたそうだが、ジョークじゃない。ちゃんと、流通に乗ります。
「『これ、ウソですよね?』なんて声も上がりましたが、あくまで真面目にやっています」(金田さん)

社内から賛同の声は少なかった


でも、なんでこんな事をしているのか? 事の発端は、2012年。醤油ベースの真っ黒いスープ、大量にきかせた胡椒が特徴の「富山ブラックラーメン」をモチーフにした『富山ブラック サイダー』は、好事家から多大な反響が寄せられました。


「あの時は『飲料に似つかわしくないだろう!』『なに考えてんだ!?』と、社内の人間からかなり説得されましたね……」(金田さん)
しかしヒットしたのだから、もう何を言われる筋合いもない。"北陸グルメの飲料化"はシリーズ化していくこととなりました!

「金沢カレー」はアクが強い


ところで皆さん、「金沢カレー」についてはご存知ですか? ドロっとした濃厚なルー、トッピングの大きなトンカツ、その上にかかったソースが特徴で、千切りキャベツを添えて銀色のステンレス皿に盛り付けられる一品。地元・石川県では30年以上の歴史があり、近年では専門店が日本各地、そして海外へも展開されています。


「専門店へ行くと、カレーの香りと共にソースの香りもすごくします!」(金田さん)

このアクの強いメニューを今回は飲料化。『富山ブラック サイダー』、『越中富山やくぜんサイダー』に続くシリーズ商品です。


「今まではサイダーが続きましたが、『カレーにはやはりコーラだろう』と勝手に思ってしまいました」(金田さん)

このコーラ、果たしてどんな味がするのだろう?
「基本的にはコーラで、独特の香り、甘さ、シュワシュワ感がベースになっています。それから遅れてカレーの辛みとソースの香りがやって来る……という感じでしょうか」(金田さん)

こりゃ、興味深い。当然、取り寄せるでしょ!

「カレー」と「ソース」と「コーラ」が一挙にやって来る


はい、ついに我が家に『金沢カレー コーラ』が到着しました。


瓶のフタを開け、香りを嗅ぐと、カツの香りを感じた気がしないでもない。気のせいなのか、プラシーボなのか……?

では、注ぎます。トクトクトクトク、シュワシュワシュワ〜。


コップに注がれたコーラを嗅いで、確信しました。これ、ソースの香りだよ! コーラの香りもするけど、どちらかと言うとソーススメルの方が勝ってるくらいだもん!!

では、いただきます。……うわっ、カレー&ソース&コーラが一挙に来た。「カレーの辛みとソースの香りは後からやって来る」と聞いてたけど、私の体験を参考にすると話が違う。全部、同時に一気にやって来たもの!
後味についてですが、カレーを食べ、コーラを飲み、グッドマッチングさせた後の口の中……的な感覚でしょうか。悪くはないけど、予想を超えてきたので面食らってしまいました。

そんな『金沢カレー コーラ』の価格は、一本216円(税込)。石川県、富山県の高速道路サービスエリア・パーキングエリア、道の駅等のお土産物売り場などで購入することができます。他地域にお住まいの方は、箱買い(20本入り)の通信販売で入手することも可能。
「購入していただけるのは、圧倒的に男性の方が多いです。面白がって飲んでいただいているようです。逆に、女性からの反響は壊滅的に悪いです。そもそも清涼飲料にそぐわないフレーバーを含んでいる時点で、扉は閉じてる感じですね」(金田さん)

とは言え、同社は年間10万本の売上げ目指している模様。全国の地サイダーは「5万本に届けば御の字」と言われているのに!?
「現在までの売上は、当社の想定以上の数字に届いています。我々の方も、このコーラに関しては『10人中3人に喜んでいただければいい』と考えています」(金田さん)

記者は、10人の内の3人に辛うじて入りました。今なら、私にも言えるでしょう。「カレーは飲み物です」!
(寺西ジャジューカ)