「ももいろクローバーZのSUZUKIハッピー・クローバー!」略して“ハピクロ”。ももいろクローバーZが贈る、“教養エンターテインメント・プログラム”です。毎週、様々なジャンルのプロフェッショナルの先生たちが登場して、「○○学」と題した、聴けばつい誰かに話したくなるアカデミーを開講中です。

2016年4月24日は、「夢をつかむ冒険学」のハピクロ・アカデミーを開講。登山家・冒険家の三浦雄一郎さんをお迎えして、エベレスト登頂の過酷な世界や、三浦さんがエベレスト登頂へ挑戦することになったきっかけ、

そして、逆境に立たされたときの乗り越え方について、教えてもらいました。

(ももいろクローバーZがパーソナリティをつとめるTOKYO FM「ももいろクローバーZのSUZUKIハッピー・クローバー!」2016年4月24日放送より)



かなこ:先生はエベレストの登頂に3回成功されていますが、どれくらい過酷な世界なんですか?

三浦先生:標高が8848メートル、地球と宇宙の接点になるんですよ。

エベレストが9000メートル超えたら、宇宙服を着ないと、大袈裟ですけど人間は爆発しちゃうんですよ。

血液が沸騰しちゃうんです。

酸素は平地の3分の1、夜の気温はマイナス50度なんですよ。

かなこ:想像を……はるかに超えてます。

しおりん:山頂からの景色は、どんな景色が見えるんですか?

三浦先生:眼下にチベット、ブータン、ネパール、インド、パキスタンがぐるっと見渡せます。

しおりん:どういったトレーニングをされているんですか?

三浦先生:山登りをしたり、スキーをしたり。

普段の生活では、いま履いてる靴が1.7キロです。トレーニングのときは、3キロ〜5キロぐらいを片足につけて、背中に20キロくらい背負います。

東京の事務所には、世界で唯一、個人で持っている低酸素トレーニングルームがあって、オリンピック選手なんかも練習に来たりしてますよ。

清野:オリンピック選手はわかりますけど、先生は83歳ですからね!

ここで三浦先生にまつわるクイズです!

過酷なエベレスト登頂ですが、山頂近くの危険な場所に入ったときに、”あること”をして、気分転換をされたそうです。

”あること”とは何でしょうか?

三浦先生:伝統的なことでもありますね。



かなこ:山びこ! 危険な場所ということなので、大きな声を出したりすると気分転換になると思って、直感です!

清野::百田さん、なんて叫びます?

かなこ:ヤッホーですよ!



清野:返ってきたら?

かなこ:「あ、どーもー!」って(笑)。

清野:「どーもー」っていう人はいるんですか?

三浦先生:初めて聞きましたね(笑)。

清野:玉井さんの答えは?

しおりん:落語を聞く! 過酷な場所だから、体力は使えないじゃないですか。

聞いたり、目で見たりするのがいいのかなと思って。

清野:三浦先生、答えをお願いします!



三浦先生:本式のお茶会です。

8500メートルの最後のテントでやるんですよ。国宝クラスのお茶のセットを持っていって。

お茶を点てて、肩つき合わせながらお茶会です。

しおりん:過酷だからこそ、優雅な時間を過ごした方がいいんですね。

かなこ:ちなみに、山びこはやりますか?

三浦先生:山が多すぎますからね、向こうに届くまでね……(笑)。

しおりん:海外の人も「ヤッホー」って言うんですか?

三浦先生:同じなんですよ。

しおりん:すごい! ヤッホーは世界共通語なんだ!



──冒険家・三浦雄一郎先生に学ぶ「夢をつかむ冒険学」

”エベレストに挑戦!”

清野:三浦先生は70歳の時に、”エベレストに挑戦しよう!”と思ったキッカケがあったそうなんですけど、百田さん、玉井さん、わかりますか?

かなこ:同じくらいの歳の方が登頂に成功したのを見て、”やってみよう”と思ったとか?

三浦先生:それもありますね。

しおりん:階段で息切れをし始めた!

三浦先生:正しいに近いね(笑)。

清野:正解をお願いします!

三浦先生:メタボの解消です!

糖尿病、高血圧、狭心症、非常に危ない病気で、そのままいけば寿命3年と言われたんですよ。

かなこ:そこでエベレストって、すごくないですか?

三浦先生:僕の父親が三浦敬三と言うんですけど、この人が99歳になったら、モンブランをスキーで滑ると言うんですよ。

90歳超えても、毎年のように日本アルプスに登ったり滑ったり、冬は100日以上スキーをやってるんですよ。

親父がモンブランなら、俺はエベレストを登ってみようと。

いま考えれば、無茶苦茶な発想ではあったと思うんですけど(笑)。

しおりん:登ろうと決意してから、トレーニングを開始されたんですか?



三浦先生:札幌の家の近くに、500メートルの藻岩山という山に登りました。頂上まで10分というところで、腰かけたら立ち上がる元気がないんですよ。

エベレストに登ると決心したのが65歳。気が遠くなるような思いでもありました。

僕は札幌で暮らしてるから、食べ放題、飲み放題が大好きなんですよ。

しおりん:確かに! 美味しい物天国だもん!

三浦先生:いまでもね、ステーキなんか1キロ食べるもんね。

かなこ・しおりん:えええーー!! すごい!

三浦先生:ビールなんかも、ジョッキで5杯、6杯飲むんですよ。これで運動不足だったら、あっという間にメタボになっちゃう(笑)。

かなこ:夢に向かって頑張っている人とか、私たち世代もそうですけど。こういうお話を聞くと”諦めちゃいけないな!”って思いますよね。

しおりん:始めるのに年齢は関係ない、ということですよね。

三浦先生:そう思いますよ。

目標があって、それに向かって、どうせなら楽しく努力・工夫をして、自分なりの方法を考えるということだと思いますね。



──”成功体験が、次の大きな励みになる”

しおりん:”新しいことをやってみよう!”というときに、諦めちゃったり、挫折しちゃうこともあるじゃないですか。

三浦先生は、どうやって乗り越えますか?

三浦先生:小さいことから、一歩ずつやっていくことですよね。

僕だって、自分の家の階段を上ろうという事から始まって、ひとつずつの成功体験が、次の大きな励みになりますよね。

かなこ:周りからは、「やめたほうがいいですよ」とか、反対されることってないですか?



三浦先生:それは当たり前ですよ。「絶対に無理だ」と言われますよね。

僕は大腿骨、骨盤骨折、腰を5箇所、80歳の前に折ったんですよ。

かなこ:ええ!?

三浦先生:スキーのジャンプで失敗して、腰から落ちてしまって、命が助かっただけでも良かったと思います。

寝返りも打てない中で、なんとか治してエベレストを登ってみようと思っていました。

エベレストがなかったら、そのまま寝たきりで諦めたと思うんですよ。

かなこ:こうやって繋がっているということは、やっぱり努力することに意味がないことはないんですよね。

三浦先生:努力しながらも、想定外のことはありますから。それを超えなきゃ夢は実現できないですから。トントン拍子にいくなんて、あり得ないですよね。

清野:達成したあと、2回目、3回目のモチベーションは、どうやって維持されるんですか?

三浦先生:年をとると体力がなくなっていく、気持ちの面でもね。

”人間には、こういう可能性があるんだ!”ということをトライしたかったんですよ。

かなこ:三浦先生が今後、「挑戦したいこと」は、何ですか?

三浦先生:2018年、85歳超えますけど。チョ・オユーという、8200メートルの世界で6番目に高い山があります。この山に登って、頂上からスキーで滑ってみたいですね。

しおりん:かっこいい! この間、苗場の初心者コースの上から下るのも怖かったですから(笑)。

8000メートル、ほぼ宇宙ですもんね(笑)。

清野:百田さん、玉井さん、いかがですか?

しおりん:わたしは好奇心旺盛で、色んなやりたい事があるんですけど、実行に移せないタイプなので……。

実行に移すと、これだけ世界が広がるということを改めて考えたので、行動するのは大事だなと勉強させていただきました。

かなこ:自分が諦めないことに意味があるというか、そういうことを改めて思ったので、これからも自分のやりたいことは諦めずに、追求してみたいなと思います。

先生も頑張ってください!

三浦先生:はい、みんなで頑張りましょう!

かなこ・しおりん:先生、今日は本当にありがとうございました!





〈番組概要〉

番組名:「ももいろクローバーZのSUZUKIハッピー・クローバー!」

放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット

放送日時:毎週日曜 16:00〜16:55

パーソナリティ:ももいろクローバーZ、清野茂樹

番組Webサイト: http://www.tfm.co.jp/clover/