トミック YouTuber“第一世代”の誇りをもって突き進む!
言うなればYouTuber“ファーストジェネレーション”。2011年、はじめしゃちょーよりも早く、当然「YouTuber」などという言葉などないころから彼はそこにいた――。人気マルチクリエイターのトミック。チャンネル登録者は51万人を超え、Twitterのフォロワーも26万人を超える。料理に実験、社会派コントなど、動画のジャンルは多岐にわたる。「好きなことを好きなようにやって、それをアップしてるだけ」と言いつつも、その裏には彼なりの哲学、そして古株のYouTuberとしての誇りがあった。

撮影/平岩 亨 ヘア&メーク/神林 匠
取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.

ネットにまったく強くなかった青春時代





――幼少期からYouTuberになったきっかけ、現在に至るまでじっくりと伺ってまいります!小さいころはどんなお子さんでしたか?

いつも教室で騒いで怒られるようなうるさい子どもでしたね。あんまりよくないところで目立っていつもめっちゃ叱られて…(苦笑)。

――周りで流行っていたり夢中になったものは何ですか?

小学生のころは、ベイブレードとビーダマン。僕も含めてみんなハマってて、戦わせたりしてました。テレビだと『おはスタ』(テレビ東京)が好きで、その中で放送されてたアニメの『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』をよく見てましたね。



――小さいころからすでにインターネットにはなじんでいたんですか?

いやいや、まったくですね。小学生のころは一般的にも、インターネット自体がまだまだ普及してなかったですし。

――中学、高校と進んで…

しがない田舎の中学生、高校生でしたよ。中学校から部活でバドミントンをやってて、高校でも続けてはいました。高校時代の思い出というと『モンスターハンター』ですね。ちょうど人気がピークで。というか、もう10年も経つんですね!(笑)

――ゲームは昔からお好きなんですか?

初めて遊んだのは幼稚園のころのファミコンの『スーパーマリオブラザーズ』。それからスーパーファミコンの『ヨッシーアイランド』。NINTENDO64が発売されたのが小1で、『ドンキーコング64』をやりましたね。「はがすなって」というメモリー拡張パック付きのCMが懐かしい(笑)。それから小3で『大乱闘スマッシュブラザーズ』ですね。



――かなりやりこんでるんですね!(笑)

生粋の“任天堂派”のゲーマーです(笑)。ゲームボーイポケットにニンテンドーDS。『ポケモン』も緑、金、銀、ルビー・サファイアと正統派の道を歩んできました!(笑)

――ネットの世界にハマりこんだのはいつ、どのようなきっかけで?

10代の半ばの2006年ごろですね。それ以前の中学生のころは、まだYouTubeもなかったと思います。動画自体がまだ初期の段階で「おもしろフラッシュ総合」とかでした。高校時代、ネットサーフィンしているなかでYouTubeを知りました。

――高校時代はその先の進路についてどのように考えていたんですか?

ほぼ何も考えてなかったですよ(笑)。まあ、大学行って就職するんだろうと漠然と思ってました。実際、大学に進学しましたし。ただ、大学に入って自分のノートパソコンを持つようになって、以前よりもよりネットを使うようにはなりました。といっても、YouTubeで動画を見るのが中心でしたけどね。

トミックの名前の由来は意外なあの人!





――見る側から自分で投稿する側になった経緯について教えてください。

周りと少し違うことをしたかったんでしょうね。いまでは動画を撮って投稿するなんて当たり前ですけど、僕が始めたころはまだ珍しかったですから。

――それで、これまで視聴者として慣れ親しんでた動画の世界に飛び込もうと?

飛び込む、というほどのものじゃなかったですけどね(笑)。YouTubeって“ビデオブログ”っていうくらいで、ある意味、生きてる証を動画としてネットの世界に残せるわけじゃないですか? それは面白そうだから、ちょっとやってみようかって感じでした。

――顔を出して動画を投稿することに抵抗はなかったんですか?

なかったですね。別に誰も顔なんて見てないし、悪いことしてるわけでもないし。YouTubeってそもそも、友達とのパーティの動画をみんなで共有するために作られたツールで、ブログにチョイ足しって感じで動画をつけるような感覚だったんで、そこまで大げさな覚悟とかもなかったですね。



――最初のころはどんな動画をアップしてたんですか?

大学のころに少しやってた手品の様子を練習がてら撮影してアップしてました。ちなみに、トミックという名前は、手品つながりでMr.マリックから付けてます(笑)。ただ、僕が始めたころは、動画をネットに投稿してるなんて“変なヤツ”って感じで周りには見られてましたけどね。

――トミックさんよりもさらに若い世代とは、環境などさまざまな点で違いがあるようですね。

それは、大きいと思ってます。僕が始めたころは、YouTuberとして“稼ぐ”とか“有名になる”って考え自体が存在しなかったですから。

――YouTuber間にもジェネレーションギャップが…

ありますよね。動画を撮ってパソコンに取り込んで…という作業も以前とは全然違うし。いまじゃ小学生がスマホ持って動画撮ったりLINEしたりしてますもんね。昔は好きな女の子に電話するにも家の電話に掛けるしかなくて、お父さんが出て…とかいまの若い子に教えてあげたい!(笑)