居酒屋のメニューにあるサワーといえば、レモンサワーやカルピスサワーなどが思い浮かぶ。だが、東京・千駄木にある創業31年の「居酒屋兆治」には、とんでもない不思議なネーミングのサワーがあるという。しかも150種類以上ものサワーが置いてあるそうだ。

谷中銀座にほど近いディープな居酒屋のドアを開けると……




千駄木駅から徒歩1分、谷中銀座からもほど近い場所にある。マンションの一室の角に、なにやら年季の入った入口がある。ここが「居酒屋兆治」だ。


一反もめんか短冊にも見えるのは、サワーのメニュー。壁だけでなく天井にまでびっしりと貼り付けてある。トマトサワーやアロエサワーといったさわやかな名前のものもあれば、コーンポタージュサワーや味噌サワーなど、注文するのは躊躇してしまう名前も。


何よりも謎なのが、上戸彩サワー、タモリサワー、健さんサワー、カズサワー、五郎丸サワーなど、芸能人や有名人の名前がついたサワーである。店長の碇谷弘(いかりやひろし)さんが「サワーの正体は注文するまで本当は教えないけど、今回だけ特別に教えちゃおうかな」というので、色々と聞いてみた。通常は、非公開のネタである。

さて、このサワー名はなんだろうか?


答えは、上戸彩サワーである。かつて「オロナミンC」のテレビCMに出演していたことにかけたそうだ。カズサワーは「デカビタC」、AKB48サワーはアサヒ飲料のコーヒーでワンダ割り、堂本サワーは十六茶割りとのことだ。それにしても、よくCMに誰が出ているか覚えているものだ。

つまみは、一番人気の納豆オムレツがどのサワーにもぴったり。納豆がお酒の味をまろやかにしてくれる。


お手洗いに行くと、お経のような紙が張ってあり腰を抜かしそうになる。


よく読んでみると、人生の指針になる教訓が書いてある。



カラオケは1曲200円で歌える。ただし60歳以上は無料。また、女性はサワー100円引き(金曜土曜日は除く)。



飴玉は店内で食べるのであれば無料、見つからずに口の中に入れて外に出ても無料。目立つように持って行くと有料という変わったシステムである。

東京下町の千駄木は、お酒素人の青二才では太刀打ちできないディープな飲み屋がある。千駄木で飲む場合は、覚悟してかかっていくべし。

【居酒屋兆次】
・住所:東京都文京区千駄木3-31-15
・営業時間:19:00〜翌7:00

(松岡佑季)