この原稿を書いているのは、4月上旬。ようやく春になり、お花見シーズン真っ只中と言えるでしょう。近所にある桜の木が咲き誇っているのも、うれしいなぁ。

「桜湯」とは全く異なる


お茶メーカー「縁起茶本舗」(福岡県福岡市)が3月1日より発売している新商品も、我々に春の風を運んでくれます。その名は、『さくら縁起茶』。これ、お湯を注いで1分待つと桜の花が浮かび、そして開くらしいのです。
「以前、当社で"茶柱が立つお茶"を発売したところ大ヒットとなりました。そこで『また縁起のいいお茶を発売したい!』と、今回のようなお茶を開発いたしました」(同社・宮木初雄さん)

ここで気になってる方もいると思いますが、すでに世の中には「桜湯」というものが存在します。でもアレ、桜が開かない場合も多くないですか? あと、桜がお湯に浮かばなかったりもする。
「桜湯を扱う結婚式場などから『お客様へお出しする前に、何度もお湯を取り替えて塩抜きする手間が面倒』『しょっぱいので、お客様が最後まで飲まない』という声が上がっていたんです」(宮木さん)

同社が開発した『さくら縁起茶』は、桜湯と全く異なるらしい。日本茶の粉末の中にフリーズドライした桜の花を入れ、お湯を注ぐと綺麗にピンクの花が開くようになっています
「形の良い奈良県関山桜の塩漬けを入手し、それをフリーズドライにして塩抜きしました。実用新案登録した技術を活用しています」(宮木さん)

お椀の中で桜が咲いた


この『さくら縁起茶』、私も取り寄せてみました。桜が開く様子を、実際この目で見てみたい!


さて、こちらがパッケージです。封を開けると、内側には童謡「さくら さくら」の楽譜や歌詞が記されていました。


こちらには、英語で「Lucky Cherry Blossm Tea」と書かれている。


桜の花びら(三輪)を表した切り紙も同封されています。お茶を飲む前に、早くも桜が咲いたわけだ!


これを開いてお椀の下に敷けば、茶托にもなるんです。


「日本を代表する"桜"と"日本茶"が出会った」という意味の文言が英語文で記されているのも発見できます。


「海外からお越しの観光客の皆様には、日本に来た記念おみやげとしてご活用していただきたいと思っています」(宮木さん)

じゃあ、いよいよ桜を咲かせましょうかね! まず、お椀にお茶の粉末と桜のつぼみを入れ、


そして、お湯を注ぎます。

おわかりになりますかね? 粉末の中に埋もれてるだけだったつぼみが、お湯を注いで数秒後にほのかに開き始めています。

結果、見事にお椀の中で桜が咲きました!



これをゴクッと一口飲むと、口の中に春の風味が広がる。いわゆる、八女茶でした。

そんなこの『さくら縁起茶』の価格は、1杯分パックが300円(税別)で、3杯分パックが900円(税別)。全国の高島屋や三越などで購入することができます。
「すでに当社へ反響が寄せられており、新婚さんからは『結婚式の引出物に出したい』と、ご高齢の方からは『孫の結婚式や入学祝いで出したい』といったお声を頂戴しています。また、国内の外国語学校からもお問い合わせいただきました」(宮木さん)
それだけでなく、実は海外からのリアクションも多数だそう。中国、ヨーロッパ、アメリカの日本料理店から注文が寄せられているとのことです。

「きっと、日本を代表するお茶になると思いますよ!」(宮木さん)
お花見しながら飲むと、きっと最高でしょう。もしくは、忙しくてお花見できない人がゴクッと飲むと、春を感じることができます。この季節にふさわしい、おめでたいお茶の登場です!
(寺西ジャジューカ)