ヨーロッパのほぼ真ん中にある国「チェコ」。
国民一人あたりのビールの消費量が世界一というビール大国で、ビール好きな飲兵衛には憧れの国かもしれない。
そんなチェコの伝統料理に「水死体」という意味の料理があるのはご存知だろうか。
世界にはさまざまな料理があるが、「水死体」を食べる!? ……うげげ。でも興味が湧いて止まらない!
というわけで今回は、四谷3丁目にあるチェコ料理専門店「だあしゑんか」の代表、高野さんに突撃取材してきた。

チェコ料理の「水死体」について教えていただきたいのですが……


高野さん「ウトペネツのことですね。ウトペネツは、ピクルスのように酢漬けにした白ソーセージの料理のことです。これが漬けられた状態ですよ」

と、おもむろに、奥から漬けられた白ソーセージが登場。


むむ、たしかに言われてみれば水死体のよう?(もちろん見た事はないが)
こちらが、チェコのパブでは定番のおつまみメニューなのだそうだ。



食べてみると、ピクルスと白ソーセージの相性は抜群だし、スパイスも効いている。本場ではパンも添えられて出されることが多いとのこと。なるほど。これはビールのつまみにぴったりである。
でも、人気の食べ物の名前を「水死体」だなんて、なぜチェコの人たちは食欲のなくなるネーミングをしたんだ?

チェコの有名自動車メーカー「シュコダ」は残念さん


ウトペネツのほかにも、チェコには変わったネーミングセンスのものが多いとのこと。たとえば日本でいうところのトヨタにあたる、チェコの有名自動車メーカー「シュコダ」。創業者の名前がつけられているのだが、なんと「シュコダ」は日本語で「残念」という意味らしい。「残念さん」だなんて……。チェコの人たちはブラックユーモアが好きなのかもしれない。
チェコのお話を聞きながら納得したところで、ウトペネツの魅力にもすっかりハマった筆者。試しに家でもつくってみたい!
というわけで、レシピを紹介しよう。

とっても簡単! 水死体をつくってみよう


【材料】
消毒した保存ビン
ピクルス液 適量
白ソーセージ お好みで
パプリカ お好みで
タマネギ お好みで
オールスパイスもしくはローリエ お好みで

【つくり方】
1 白ソーセージの皮をむいて茹でる
2 ピクルス液を入れた保存ビンに野菜たちとともに漬ける

たったこれだけ!
漬けた翌日から、浅漬け状態でも美味しく食べられるが、ベストなタイミングはだいたい一週間ぐらい漬けた頃とのこと。
また、生ものなので一ヶ月ほどで食べきるようにしよう。

この春は是非、ビールのつまみに水死体でさっぱりと楽しんでみてはいかがだろうか。今回、取材させてくれた「だあしゑんか」は、チェコ料理をはじめ、貴重なチェコビールもそろっている。遠方からくるお客さんも多いのも納得。
チェコ料理とビール、絵本をしっとりと楽しむことができる隠れ家的なお店だ。
(YUE/プロップ・アイ)


取材協力:「だあしゑんか」東京都新宿区舟町7田島ビル201 
電話番号03-5269-6151