人工知能の科研費ランキング、1位の東大はなんと約21億円! 

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今かなりホットな話題のひとつが“人工知能”。

ディープラーニングの登場により『学習するAI』が期待されているほか、クルマの自動運転やロボット、ゲームなど様々なジャンルへの活用が期待されている。

そんな“人工知能”を研究している、大学や研究機関の科研費獲得ランキングが発表された!

断トツの東京大学では、なんと約21億円を獲得していることが分かった。

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国からの研究費をチェック

これらデータは、アスタミューゼという会社が独自に調査し発表した“人工知能(知的エージェント・知能システム)”市場における、大学・研究機関別の科研費獲得ランキング。

科研費とは、文部科学省及びその外郭団体の日本学術振興会が行っている科学研究費助成事業のこと。大学や研究機関の応募に対し、ピアレビュー審査(専門家などによる評価や検証)を行い、(競争的)資金の提供を行うものだ。

今回のランキングは、人工知能関連で2006年から2015年に交付された科研費を調査したもの。データは、2016年1月時点のものだ。

ちなみに、アスタミューゼは、人材情報・無形資産情報を可視化・流動化するプラットフォーム『astamuse』の提供などを行っている会社だ。

東大はテーマ別でもトップ

で、ランキングだが、大学では1位の東京大学から10位の東北大学まで、ランクインしたのは全て国立大学。

大学以外では、7位の国立情報学研究所と8位の産業技術総合研究所が入っている。

1位の東京大学は、辻井潤一教授らによる『高度言語理解のための意味・知識処理の基盤技術に関する研究』が4億9,933万円を獲得。この額は、研究テーマ別としても1位だ。全体で計144件が科研費を獲得し、合計約21億円となっている。

2位の京都大学では、椹木哲夫教授らによる『記号過程を内包した動的適応システムの設計論』への科研費が2億7,703円(研究テーマ別でも2位)。全体で計76件で約9億6,000万円を獲得。

3位の大阪大学は、浅田稔教授らによる『構成的手法による身体バブリングから社会性獲得にいたる発達過程の理解と構築』が1億5,184万円。

この額は、研究テーマ別では6位。全体で合計68件が獲得、総額約8億6,000万円だ。

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最も科研費の額が多かったテーマを比較しても、東京大学は2位の京都大学の倍以上。人口知能の分野では、やはりイニシアチブをとっているようだ。

以前FUTURUSで取材した、ドワンゴ人工知能研究所の山川 宏所長やKabukuの稲田雅彦代表も、元々は東大大学院で人工知能の研究を行っていた方々だ。

山川所長は、NPO法人『全脳アーキテクチャ・イニシアチティブ』を立ち上げ、人間の脳に近い人工知能を研究中。

稲田代表はカブクで、3Dプリント事業に人工知能のノウハウを活かしている。

人工知能に関する様々な人材を排出している点でも、東京大学は興味深い。

ともあれ、これら科研費が役立つよう、そして日本がこのジャンルでイニシアティブを取れるよう、ぜひ頑張ってもらいたいものだ。

【参考・画像】

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