今回の不満は真剣なものだ。薬では不十分である。アントニオ・ディ・ナターレが、年内最終戦となる12月20日のトリノ戦をもって、現役を引退することを真剣に考えているのだ。

ウディネーゼのキャプテンを務め、シンボルでもあるディ・ナターレは、数週間前から冷静ではない。常に別メニューでトレーニングしているのだ。ナポリ戦では遠征に帯同せず、サンプドリア戦はベンチスタートだった。次節キエーヴォ戦でも、スタメン入りはしないとみられている。

今季はディ・ナターレにとってウディネーゼでの最悪のシーズンとなっている。ゴールは10月4日のジェノア戦で挙げた1得点のみ。セリエAで通算216得点というジョゼ・アルタフィーニやジュゼッペ・メアッツァの記録に追いつく夢は消えつつある(現在は208得点)。

ディ・ナターレは幸せではない。それは目に見える。24日のスポンサーイベントでは口を開かなかった。ステファノ・コラントゥオーノ監督との関係は穏やかではない。それに、ディ・ナターレは疲れを感じている。そして何より自信を失っており、彼は自分が重視されていないと感じるとひどく気落ちするのだ。

ディ・ナターレは12月20日にどうするかを考えている。諦めないようにと彼を説得できるのは誰だろうか。オーナーのジャンパオロ・ポッツォ氏だけだ。ウディネーゼで彼のことを最も愛している人物である。

ポッツォ氏は、新スタジアムが完全に完成する1月17日のユヴェントス戦で、子供たちと一緒にキャプテンがピッチに向かわないなど、想像するだけでも耐えられないだろう。