新「ライカM」は、5,200ドルの「入門レヴェル」レンジファインダー機
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そのカメラにつけられた5,195ドル(約64万円)の値札を「安い」と思うのは難しい。しかしライカの製品群にあってその価格は、新しいライカM「Typ 262」が同社の価格設定の範囲における“入門レヴェル”の一端にあることを示す。彼らはこの新しいモデル──ただただ良質で、使い方が比較的簡単でフルサイズセンサーを搭載したレンジファインダーカメラ──を、リッチな人々のためにつくったのだ。その他の余分な機能はどうでもいい。
新しいライカMから外されたものは何だろう? まず、動画の撮影はできない。また、備えつけられた3インチモニターにライヴヴューフィードはない。そして、あらゆるレンジファインダー機がそうであるように、オートフォーカスシステムはない。撮影のたびにファインダーをのぞきながら、レンズ周りの絞りリングを手動で回して焦点を合わせるのだ。
こうした機能が削減されたのは意図的なもので、より手ごろな価格にするためだけではない。
ライカのレンジファインダー機で撮影した人は誰でも、その体験が独特なものだということを知っている。思い通りの露光とフォーカスを得るためのプロセスはゆっくりとしていて手動によるところがずっと大きいのだ。しかし完璧な撮影ができたとき、その結果は確かにびっくりするようなもの(かの有名な「ライカ・ルック」)だ。だから、もっともっと撮影したくなる。この新しいMモデルで、ライカ社は、撮影の体験を最も基本的な本質的要素にまで削ぎ落としている。
多くの機能が差し引かれたなかで、このカメラに新しく加えられた機能がひとつある。ライカ社は、以前のM型カメラに比べてシャッター装置がより静かになっていると述べている。その他の点では、概ね「Typ 240」と同じカメラだ──24メガピクセルCMOSフルフレームセンサーを搭載し、シャッタースピードダイヤルは最高、ISO感度は100〜6400、そしてもちろん、ライカMレンズを搭載している。
5,000ドル少々というのはどうみても大金だが、ライカのレンジファインダーカメラのどうしようもない熱狂的愛好者になるために払わなければならない入場料に過ぎない。そうそう、同社の素晴らしいレンズのコレクションを始めるのに、さらに1万ドルほどの予算を立てるのをお忘れなく。
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