ジャイアンツ・青木宣親【写真:田口有史】

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1本目は左方向への鮮やかなヒット、「誰がマウンドにいても関係ない」

 ジャイアンツの青木宣親外野手が28日(日本時間29日)、本拠地でのブレーブス戦に「1番・レフト」で先発出場し、4打数2安打1得点の活躍で7−0での勝利に貢献した。これで6試合連続安打、さらに自己最長の5試合連続マルチと絶好調のリードオフマンは、ヒットを生み出す卓越した技術を現地メディアで絶賛されている。

 試合はジャイアンツのヘストン、ブレーブスのミラーと両先発の投手戦となり、5回まではお互い1安打という緊迫した展開に。青木も初回の第1打席は中飛、3回の第2打席は二ゴロに倒れた。

 しかし、0−0のまま迎えた6回に見せ場を作る。1死二塁の好機で、内角低めへの95マイル(約153キロ)のツーシームをレフト前に運んだ。前進守備だったため、二塁走者は三塁でストップ。後続が倒れて点にはつながらなかったが、地元サンフランシスコで試合を中継していた「CSNベイエリア」の解説者は、この左方向への鮮やかなヒットを絶賛した。

「青木はこれで6試合連続ヒットです。フィールドのこちら側(レフト前)に打つのを今季ずっと見てきました。彼は右利きだろうが、左利きだろうが、誰がマウンドにいても関係ありません。 ショートのシモンズとレフトのカニンガムの間のちょうどいいところに打つのです」

2本目は三塁方向へのバント安打に「美しい」

 相手投手の右・左は関係なく、抜群のバットコントロールで野手のいないスペースに打球を落とす打撃技術に脱帽していた。

 ジャイアンツは続く7回にベルトの先制ソロが飛び出し、均衡を破る。すると、8回にダフィーの四球、代打ブランコの二塁内野安打で無死一、二塁とチャンスを作る。ここで青木が4度目の打席に立った。

 青木は中継ぎ右腕カニフの初球を三塁方向へ絶妙なバント。相手の三塁手ウリベが処理して一塁に送球したが、俊足を生かして一足早く一塁を駆け抜けた。

 ここで実況が「三塁際にバント。これは美しい。ウリベが投げる。全員セーフになった! 彼(ウリベ)はチェンジアップを投げました。これは青木のヒットになるでしょう」と称賛した。

自身初の5戦連続マルチで打率はリーグ6位の3割2分6厘に、首位ドジャースと0.5ゲーム差

 解説者も「素手でボールを投げようとしましたが、どんな握りだったのでしょうか。サークルチェンジでしょうか。フアン・ウリベはこういうプレーでリーグで定評があります。すごく肩が強いのですが、青木のスピードがウリベに多大なプレッシャーをかけたのでしょう。うん、深く握りすぎてチェンジアップになってしまいました」と続け、青木のスピードと高いバント技術が、強肩のウリベの焦りを誘い、送球を狂わせたと分析した。

 これで無死満塁とチャンスを広げたジャイアンツは、パニク、ペンスの連続長打などで一挙6点を奪取。投手戦が一転して一方的なゲームとなり、ジャイアンツは7−0で快勝。4連勝とした。

 4打数2安打1得点の青木はメジャーで自身初となる5試合連続マルチの大当たりでリーグ6位の打率3割2分6厘まで上昇。5試合連続マルチで、その間は21打数13安打の打率6割1分9厘と手がつけられない状態となっている。6試合前までの打率は2割8分8厘だった。

 最近10試合で8勝2敗と好調のジャイアンツは、ついにナ・リーグ西地区首位のドジャースに0.5ゲーム差まで迫った。高い技術でヒットを量産するリードオフマンの青木が、快進撃を牽引している。