日経平均株価チャート(日足・6カ月)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

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 5月19日前場の日経平均株価は、4月28日以来3週間ぶりに2万円台を回復しました。前日の米国株高が好感された結果です。FRBによる緩和的な低金利政策の継続への期待を背景に、18日のNYダウは1万8298.88ドルと、3月2日以来ほぼ2カ月半ぶりに過去最高値を更新しました。思った以上に、日米株式市場は強い動きです。これは嬉しい誤算です。(笑)

「好業績」「資本効率・ROE」「株主還元」で狙う銘柄

 なお、今の相場で儲かっているのは、三菱UFJフィナンシャルG(8306)のような内需系の大型株を株を買っている人達です。

 ちなみに、同社の15年3月期の連結純利益は、M&A効果などで海外事業収益が大幅に伸び、邦銀で初めて1兆円を超えました。これを踏まえ、最大で1000億円(株数上限は1億6000万株)の自社株買いを、前期に続き実施すると、15日に発表しました。好業績に加え、株主還元を充実して資本効率を向上する姿勢が評価されています。キーワードは、「好業績」「資本効率・ROE」「株主還元」ですね。これらキーワードに合致する企業群は、当面の物色テーマになるでしょう。

「バイオ」「黒字化」「好業績変化率」で狙う銘柄

 また、カルナバイオ(4572)やそーせいグループ(4565)など、バイオの一角を買っている投資家もウハウハです。カルナバイオは、11日、新規がん治療薬の創製を目的とする国立がん研究センターとの共同研究契約を延長することに加え、2015年1〜3月期連結で最終損益が黒字に転換したことを発表したことが好感され、人気化しました。さらに、12日、「TNIKキナーゼ阻害剤に係る米国特許商標庁からの特許査定通知受領のお知らせ」をリリースしたことも人気に拍車を掛けました。

 そーせいグループは、13日発表した、16年3月期通期連結業績予想が好感されました。売上収益は117.32億円(前期比219.6%増)、営業利益は58.99億円(同432.0%増)、税引前当期利益は59.15億円(同332.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は60.47億円(同975.0%増)の見通しです。売上収益は、「シーブリ」及び「ウルティブロ」のロイヤリティ収入並びに米国におけるNVA237及びQVA149の承認取得に伴うマイルストン収入、更にはHeptares社が保有するパイプラインの導出に伴う一時金マイルストン収入があるものと、会社側は予測しています。

 キーワードは、「バイオ」「黒字化」「好業績変化率」ですね。

 「バイオ」に関しては、6月16日、眼科手術用染色剤の開発・販売、iPS細胞由来網膜色素上皮細胞の再生医療用途の研究・開発・製造を手掛ける、ヘリオス(4593 *6/16上場予定)が東証マザーズに新規上場することも刺激材料です。理化学研究所は昨年、目の網膜の細胞シートをiPS細胞を用いて作製し、「加齢黄斑変性」という難病に苦しむ女性の片目に移植する臨床研究を実施しました。ヘリオスは、この理研の技術の実用化を目指しています。ヘリオスについては、同社への投資先企業への注目度が高そうです。

 具体的には、大日本住友製薬(4506)は150万株(株式総数に対する所有株式数の割合4.02%)、ニコン(7731)は50万株(同1.34%)、新日本科学(2395)は30万株(同0.80%)、澁谷工業(6340)は30万株(同0.80%)、テラ(2191)は10万株(同0.27%)です。

 なお、私は普通の資金力しかない投資家にとっては、短期売買ならともかく、長期投資の対象としては、「赤字」のバイオは適さないと思っています。長期投資するなら、やはり、黒字を達成しているバイオ企業です。赤字バイオに腰を据えて、心優しく長期保有できるのは、本当のお金持ちだけでしょう。つまり、赤字バイオの長期保有は、金持ちの道楽ですね(笑)。成り上がりたいとう経済レベルの投資家は、決してやってはならない投資だと考えます。

「インバウンド」「マイナンバー」「TPP」で狙う銘柄

 最後に、「インバウンド」「マイナンバー」「TPP」というキーワードに合致する企業群も、今後も要注目ですね。アクティブ個人が好んで手掛けるのは、「インバウンド」ならラオックス(8202)、プロルート丸光(8256)、アクリーティブ(8423)、「マイナンバー」ならITbook(3742)、ジャパンシステム(9758)、ラック(3857)、「TPP」ならeBASE(3835)、アクシーズ(1381)、林兼産業(2286)などです。

日経平均株価の25日移動平均線を注視せよ

 当面の日経平均株価の想定レンジは、1万9270.79円(株価指数オプションとミニ日経平均株価先物5月物のSQ値)〜2万252.12円(4月23日高値)が60%、上振れ確率が30%、下振れ確率が10%です。

 なお、15年3月期決算発表がほぼ終わりました。今後は、先行き業績が明るい銘柄や、先述のテーマに合致した銘柄群が買われる一方、業績は冴えず、テーマ性に乏しい銘柄群には見切り売り圧力が強まる見通しです。日経平均株価が25日移動平均線を上回って推移している間は、多くの投資家にとって儲けやすい投資環境が続くでしょうから、このチャンスを逃さずガンガン資金を増やしちゃってください(笑)。