XFN-ASIAによると、韓国の野党第1党ハンナラ党の朴振議員は、韓国夕刊紙「文化日報」とのインタビューの中で、中国の国有4大商業銀行の一つ、中国銀行がすでに北朝鮮の口座を凍結していることを明らかにした。朴氏はインタビューの中で、「北朝鮮は中国側の措置を事実上の制裁措置と受け止め、大きな衝撃を受けていると思う」と語っている。

  一方、中国外務省と中国銀行は同氏の発言に対して、ノーコメントとしている。中国人民銀行(中央銀行)の国際問題担当者も、それに関連する情報は何も持っていないとしている。

  朴議員はワシントンから帰国したばかりで、米国の現職や元政府関係者から情報を入手したという。米政府は昨年9月、北朝鮮が偽ドル札で得た資金を洗浄(マネーロンダリング)する過程で、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)が関与していたとして同行に対し金融制裁を発動している。加えて、同年10月には、北朝鮮の企業8社が大量破壊兵器の拡散に関わっているとして、米国内資産の凍結や米企業との取引を禁止する措置を取っている。朴議員によると、北朝鮮は米政府がBDAの調査に入った後、口座を中国の銀行に移している。

  偽札については、北朝鮮による中国人民元の偽造の疑いもあるとし、「このため、中国は北朝鮮による通貨偽造や資金洗浄について独自に制裁措置を取らざるを得ない。北朝鮮の違法行為をめぐり、米中間で連携が進んでいると思われる」と述べた。朴氏は、今回の中国銀行の対応について、「米国が調査を拡大したので、北朝鮮との取引を停止したようだ」とみている。さらに、米国の調査が、北朝鮮が口座を持っているシンガポール、オーストリア、スイス、ロシアの取引銀行にまで影響が広がることを北朝鮮は恐れているとの見方を示した。【了】

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