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足元でブラジル・レアルの下落が加速し、17日には一時1米ドル=3.28ブラジル・レアルをつけるなど、対米ドルで2003年4月以来の安値水準となりました。

ブラジルでは、経済の停滞懸念が強まっている一方、今年、2期目をスタートさせたルセフ政権が財政規律の維持に向け緊縮財政へと舵を切り、市場の信頼回復に努めようとしています。ところが、国営石油会社に絡む汚職疑惑を巡り、連立与党所属の上下両院議長を含む国会議員までが捜査対象となったことが6日に明らかになったのに続き、15日には汚職や経済面での不満などを背景に大規模な反政府デモが開かれ、政治面での懸念まで強まったことが、足元でのレアル安加速の主な背景と考えられます。また、現在は米ドル高局面だとして、政府当局者がレアル下支えに向けた市場介入の強化を否定したと報じられたことも影響した模様です。

緊縮財政への方向転換や汚職疑惑などにより、ルセフ大統領の支持率は既に大きく低下していました。また、同国は現在、干ばつに見舞われており、水の供給や、水力発電に多くを依存する電力の供給に不安を抱え、景気への悪影響が懸念されている状況です。そこに政治の混乱が加われば、財政健全化の道のりは一層険しくなるとみられます。しかしながら、緊縮財政を実現できなければ、国債が格下げされる可能性があることなどから、財政健全化に向けた政府の方針が大きく揺らぐことはないと考えられます。

なお、同国では、インフレ抑制に向けて中央銀行が金融引き締めを続けています。直近2月の消費者物価指数が上振れしたこともあり、今後も追加利上げが見込まれています。景気や財政健全化の行方などに注意を怠れないものの、原油安を背景に利下げなど金融緩和を進める国が相次ぐ中で、ブラジルが利上げを続けていることや、同国の金利水準が相対的に高いことは、ブラジル・レアルのサポート要因になると考えられます。

(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)

(2015年3月19日 日興アセットマネジメント作成)

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(日興アセットマネジメント)