北米では4人に1人が性暴力被害に遭っており、そのうち25%はアルコールやデートレイプドラッグなどの混合物が使われているといいます。

また、ワシントンポストの分析によると、2012年に全米の大学キャンパスでは3,900件を超える性犯罪が発生しており、3年間で50パーセント増加したという統計が示されています。

そんな中、デートレイプドラッグを発見して、レイプを事前に防ぐ商品の開発がすすめられています。

板ガム状のデバイス飲み物のドラッグを検出

米国のクラウドファンディングIndiegogoでは、デートレイプドラッグを検出するデバイス「pd.id」への資金調達が呼びかけられています。

「pd.id」は板ガムのような形状のデバイスで、飲み物に浸すと数秒間で成分を分析し、ドラッグが混入していれば赤、していなければ緑のLEDライトが点灯するというもの。米国の麻薬取締局(DEA)などで実際に使われてきた技術をもとにしており、スマートフォンとも連携できるそうです。飲料分析データベースへのアクセスや、飲み物に何かが混入している場合の警告メッセージの送信も可能。

充電式バッテリーは30〜40回使用できて、価格は75ドル、出荷は2015年4月の予定だそうです。

ドラッグで色が変化するマニキュアを大学生が開発

一方、デートレイプドラッグに触れると色が変化するマニキュア「アンダーカバー・カラーズ」を開発しているのは、ノースカロライナ州立大学の4人の男子大学生。

このマニキュアを塗った指で飲み物を混ぜると、ドラッグが混入していた場合、ネイルの色が変化するのだそうです。

学生たちは、「僕たちは皆、性的暴行の恐ろしい経験をしている人がそばにいたので、女性がふだんから使っているものを使って、予防策ができないかと思ったんです。それで、デートレイプドラッグを検出するマニキュアを作るというアイデアが生まれました」と話しています。

まだ開発段階ですが、州も彼らの取り組みを高く評価しており、世界的に著名な専門家である同大化学科の博士が主な技術顧問としてサポートしているそうです。彼らのウェブサイトでは現在、開発資金に充てるための寄付を募っています。

日本では、レイプやデートレイプドラッグが表面化されることは多くありませんが、アルコールやドラッグを使って相手を合意の判断ができない状態にさせて性行為を行うことは準強姦という「犯罪」です。そうした認識を広めることも、性暴力を防止するためには必要なことに違いありません。

(リプトン和子)