シンプルなジェスチャーが革命的、あるいは少なくともレクチャーとなるかもしれない。バルセロナDFダニエウ・アウベスが27日のビジャレアル戦で、人種差別行為に対して独特な返しを見せたのだ。

ビジャレアルが2−1とリードしていた76分、CKを蹴ろうとD・アウベスがコーナーアークにたどり着くと、マドリガルのスタンドから一つのバナナが彼に向けて投げ込まれた。

人種差別攻撃の犠牲者となったD・アウベスは、だが屈しなかった。バナナを拾い、皮をむいて、それを食べたのだ。股抜きやドリブルに匹敵するような、チケット代に値するショーだ。人種差別に対する最高の返答だろう。

試合前には、元バルセロナ監督で先日亡くなったティト・ビラノバ氏を追悼する1分間の黙とうが行われた。このとき、MFセルヒオ・ブスケッツやMFアンドレス・イニエスタといった選手たちは、涙をこらえることができなかった。

だが、そんなムードも、愚か者たちを止めることにつながらなかったようだ。しかし、D・アウベスはそれに対して見事なレッスンをしてみせたのである。彼は何度も自身やFWネイマールに対する人種差別行為を訴えてきた。

今回の彼の“返答”は、どんな訴えよりも騒がれるだろう。そして、バルセロナはビジャレアルに逆転勝利を収めた。そのことが、D・アウベスをさらに喜ばせたはずだ。